資金・税金
知ってると得をする税制などのしくみを学ぼう。
平成21年度の税制改正のポイント
- 1.住宅ローン減税が控除額など大幅に拡充されて延長されました
- 2.「長期優良住宅」の新築を対象に投資型の特別控除が創設されました
- 3.既存住宅のリフォームを対象に投資型の特別控除が創設されました
- 4.「省エネ改修促進税制」「バリアフリー改修促進税制」が延長されました
- 5.「耐震改修促進税制」が延長・拡充されました
平成21年度の住宅税制改正で最大のポイントは、過去最大規模の住宅ローン減税が5年間延長されたことです。また、住宅ローンの有無に関わらず、高品質の戸建てやマンションを建築し、維持・補修を制度化することで資産価値向上を目指す「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の施行(2009年6月4日)を受けて、地球環境にも配慮した快適な住環境を手に入れやすくする所得税減税などの特例措置が創設されています。
その他にも、リフォームでも対象になる「省エネ・バリアフリー減税」が5年間延長され、新たに投資型の特別控除も創設されました。太陽光発電の補助制度をはじめ、住宅金融支援機構のフラット35Sでは、省エネルギー性や耐震性など一定の基準を満たした優良住宅では金利の優遇適用期間が20年間に延長され、融資上限も取得額の90%から100%に引き上げられます。贈与税では、住宅の購入やリフォーム資金に限り500万円まで時限措置で軽減されます。
新築住宅(建築・購入)
●所得税額の特別控除
住宅ローンを利用して戸建て住宅やマンションを購入された方を対象にした、年末のローン残高に対する一定割合の控除が平成25年まで延長されています。また、平成19年の税源移譲により、所得税から控除しきれない額は、年97,500円を限度に住民税から控除されます。控除期間は10年間、平成22年度末までの入居なら、借入限度額が5,000万円に拡充。今回より住宅の種類により最大控除額が異なります。一般住宅の場合は、最大控除額500万円、耐震性などに優れた長期優良住宅(「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に規定する認定長期優良住宅)では、最大控除額が600万円になります。
[一般住宅の場合]
| 居住年 | 控除期間 | 住宅借入金等の 年末残高の限度額 |
控除率 | 最大控除額 |
|---|---|---|---|---|
| 平成21年 | 10年間 | 5,000万円 | 1.00% | 500万円 |
| 平成22年 | 5,000万円 | 500万円 | ||
| 平成23年 | 4,000万円 | 400万円 | ||
| 平成24年 | 3,000万円 | 300万円 | ||
| 平成25年 | 2,000万円 | 200万円 |
※(社)住宅生産団体連合会資料より
- 〈特例措置〉
-
- (1)住宅ローン減税の適用を受けられていた方が、転勤等ややむを得ない事情により一時転出して、その後再び入居・購入された場合も一定の要件を満たすことで適用されます。
- (2)平成19年の税源移譲で所得税から控除しきれない額は、年97,500円を限度に住民税から控除されます。給与所得者の場合、源泉徴収票に盛り込まれ、手続きなしで控除が受けられます。
- 〈重複適用について〉
-
- (1)買換え等による、譲渡損失の繰越控除との併用が可能です
- (2)譲渡所得の特別控除(3,000万円控除)とは、選択制になります。
- (3)譲渡した場合の長期譲渡所得課税の特例(3,000万円特別控除後の軽減税率)とは、選択制になります。
[長期優良住宅の場合]
| 居住年 | 控除期間 | 住宅借入金等の 年末残高の限度額 |
控除率 | 最大控除額 |
|---|---|---|---|---|
| 平成21年 | 10年間 | 5,000万円 | 1.20% | 600万円 |
| 平成22年 | 5,000万円 | 600万円 | ||
| 平成23年 | 5,000万円 | 600万円 | ||
| 平成24年 | 4,000万円 | 1.00% | 400万円 | |
| 平成25年 | 3,000万円 | 300万円 |
※(社)住宅生産団体連合会資料より
- 〈特例措置〉
-
- (1)住宅ローン減税の適用を受けられていた方が転勤等、やむを得ない事情により一時転出して、その後再び入居・購入された場合も一定の要件を満たすことで適用されます。
- (2)平成19年の税源移譲で所得税から控除しきれない額は、年97,500円を限度に住民税から控除されます。給与所得者の場合、源泉徴収票に盛り込まれ、手続きなしで控除が受けられます。
- 〈重複適用について〉
-
- (1)買換え等による、譲渡損失の繰越控除との併用が可能です。
- (2)特定住居用の買換え等による長期譲渡所得課税の特例との併用が可能です。
- (3)譲渡所得の特別控除(3,000万円控除)とは、選択制になります。
- (4)譲渡した場合の長期譲渡所得課税の特例(3,000万円特別控除後の軽減税率)とは、選択制になります。
- 「長期優良住宅」は、住宅ローンなしでも所得税控除が受けられます
- 長期優良住宅の取得(建築・購入)では、住宅ローンを組まなくても利用できる特別控除が創設されています。耐震性等の要件を満たして認定を受けた長期優良住宅なら、取得にかかった費用の10%相当(上限1,000万円)が所得税から控除されます。控除しきれない額は、翌年に繰り越されて控除されます。
既存住宅(リフォーム)
●所得税額の特別控除
今回の改正により、ローンを組まない方でも省エネリフォームやバリアフリーリフォームなど、一定の要件を満たすことで減税を受けられるようになりました。また、太陽光発電システム設置では、リフォームと一緒に付加価値を高めることで減税の対象となる工事費用の上限引き上げ(300万円)などが拡充されています。既存のリフォーム減税(平成25年まで延長)と選択ができます。当該家屋にかかわる翌年度の固定資産税額が3分の1減額されます。適用されるのは、120m²相当分に限り、適用対象期間は、平成21年4月1日から平成22年12月31日に工事を行った場合となり、控除を受けるのには、確定申告が必要です。
[省エネリフォーム]
従来の「省エネ改修促進税制」での所得税特別控除の適用期間が5年延長されています。さらに、平成21年4月1日〜平成22年12月31日までの省エネリフォームで適用(1%控除)されている工事対象が、今回創設されたローンを組まない方と同様の措置が新たに適用されるようになりました。
- 税額控除率
- 特定の省エネリフォーム工事費用と省エネリフォーム工事にかかる標準的な工事費用相当額(※1)のいずれか少ない金額(限度額200万円(※2))の10%相当額。
-
- (※1)「標準的な工事費用相当額」は、経済産業省・国土交通省で告示され、省エネリフォーム工事の部位ごとに定められています。
- (※2)太陽光発電装置を設置する場合の限度額は300万円です。
- 〈主な要件〉
-
- (1)対象となる工事は、次の「<1>の工事」、もしくは、「<1>と併せて行う<2>、<3>、<4>、<5>」の工事。
<1>居室のすべての窓のリフォーム工事
<2> 床の断熱リフォーム工事
<3> 天井の断熱リフォーム工事
<4>壁の断熱リフォーム工事
<5> 太陽光発電装置設置工事 - (2)リフォーム部位がいずれも現行の省エネ基準(平成11年基準)以上の省エネ性能となること(<5>は、一定のもの)。
- (3)省エネリフォーム工事は、一定の要件を満たし、費用が30万円以上 であること。
- (1)対象となる工事は、次の「<1>の工事」、もしくは、「<1>と併せて行う<2>、<3>、<4>、<5>」の工事。
- 従来の「省エネ改修促進税制」との選択制になります
- 今回、新たにローンを組まない方にも適用されるようになりました。省エネリフォーム工事をした年度分の所得税控除に適用されるもので、平成21年度分で控除の適用を受けた場合は、平成22年度分では適用を受けられませんので注意が必要です。
-
- ※合計所得金額が3,000万円を超える場合は適用されません。
- ※従来の住宅ローン型の「省エネ改修促進税制」とは併用できません。
- ※登録性能評価機関、指定確認検査機関など、専門機関が発行する証明書が必要になります。
- ※対象となる住宅が該当するかの確認は、住宅所在地の都道府県または市区町村へお問い合わせください。
[バリアフリーリフォーム]
従来の「バリアフリー改修促進税制」での所得税特別控除の適用期間が5年延長されています。さらに、平成21年4月1日〜平成22年12月31日までのバリアフリーリフォームで適用(1%控除)されている、工事対象が、今回創設されたローンを組まない方と同様の措置が新たに適用されるようになりました。
- 税額控除率
- 一定のバリアフリーリフォーム工事費用とバリアフリーリフォーム工事にかかる標準的な工事費用相当額(※)のいずれか少ない金額(限度額200万円)の10%相当額。
-
- (※)「標準的な工事費用相当額」は、経済産業省・国土交通省で告示され、バリアフリーリフォーム工事の部位ごとに定められています。
- 〈主な要件〉
-
- (1)対象となる工事は、次の通りです。
「廊下の拡幅」「階段の勾配の緩和」「浴室や便所の改良」「手すりの設置」「屋内の段差解消」「引き戸への取り替えまたは、床表面の滑り止め化」を行うリフォーム工事。
- (2)バリアリフォーム工事は、一定の要件を満たし、費用が30万円以上 (補助金等をあてる部分を除く)であること。
- (3)対象となる居住者は、次の<1>〜<4>のいずれかに該当すること。
<1>50歳以上である
<2>要介護または要支援の認定を受けている
<3>障がい者の認定を受けている
<4>上記のAまたはBに該当するか、65歳以上の方と同居している
- (1)対象となる工事は、次の通りです。
- 従来の「バリアフリー改修促進税制」との選択制になります
- 今回、新たにローンを組まない方にも適用されるようになりました。バリアフリーリフォーム工事をした年度分の所得税控除に適用されるもので、平成21年度分で控除の適用を受けた場合は、平成22年度分では適用を受けられませんので注意が必要です。ただし、要介護状態区分等が3段階以上、上昇した場合は適用を受けられる場合もあります。
[耐震リフォーム]
従来の「耐震改修促進税制」での所得税特別控除の適用期間が5年延長されています。さらに、地方公共団体が作成する耐震リフォーム計画での補助対象「耐震診断」等も含まれるようになりました。補助金額の下限が撤廃され、適用対象区域も拡大されました。平成21年1月1日以後に行われる住宅耐震リフォームが適用されます。
- 税額控除率
- 耐震リフォーム工事費用と耐震リフォーム工事にかかる標準的な工事費用相当額(※)のいずれか少ない金額。
-
- (※)「標準的な工事費用相当額」は、国土交通省で告示され、定められています。
●リフォーム減税の重複適用早見表
| 住宅ローン減税 (増改築等) |
投資型減税 | ローン型 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 省エネ リフォーム |
バリアフリー リフォーム |
耐震 リフォーム |
省エネ リフォーム |
バリアフリー リフォーム |
|||
| 住宅ローン減税 | − | ||||||
| 投資型減税 | 省エネ リフォーム |
選択制 | − | ||||
| バリアフリー リフォーム |
選択制 | ○(※1) | − | ||||
| 耐震 リフォーム |
○ | ○(※2) | ○(※2) | − | |||
| ローン型 | 省エネ リフォーム |
選択制 | 選択制 | 選択制 | ○ | − | |
| バリアフリー リフォーム |
選択制 | 選択制 | 選択制 | ○ | ○ | − | |
※(社)住宅生産団体連合会資料より
- ○重複適用可能
-
- ※1バリアフリーリフォーム(投資型減税)と省エネリフォーム(投資型減税)の両方のリフォームを行った場合の控除額の上限は、合計で20万円となる。
(ただし、省エネリフォーム工事において太陽光発電装置の設置工事を行った場合の控除額の上限は30万円) - ※2省エネリフォーム(投資型減税)又はバリアフリーリフォーム(投資型減税)と、耐震改修促進税制との併用が可能であることから、両方の改修を行った場合の控除額の上限は、合計で40万円となる。
(ただし、省エネリフォーム工事において太陽光発電装置の設置工事を行った場合の控除額の上限は50万円)
- ※1バリアフリーリフォーム(投資型減税)と省エネリフォーム(投資型減税)の両方のリフォームを行った場合の控除額の上限は、合計で20万円となる。
取得にかかわる税制
上記以外の住宅取得にかかわる税制では、
現行の特例適用の拡大や適用期限が延長されています
贈与税、固定資産税などの優遇措置が受けられます。 関係する税金は次の通りです。
- (1)贈与税(相続時精算課税制度の住宅取得資金等贈与にかかわる特例)
- (2)固定資産税(新築住宅取得の固定資産税の軽減措置)
(1)贈与税(相続時精算課税制度の住宅取得資金等贈与にかかわる特例)
住宅取得資金(※)の贈与を受けたときに、相続時精算課税制度の通常の非課税枠(110万円)を500万円まで拡大。平成20年からの特例措置で、贈与する側(親)の年齢制限も65歳未満からの贈与も対象に平成21年末まで延長されています。これに加えて、平成21年1月から平成22年末まで、通常の非課税枠年間110万円と併用して年間610万円まで非課税枠が拡大されています。
(※)住宅とともに取得する敷地の費用に充てるための資金も対象となります。
- 〈主な要件〉
-
- (1)新築や取得する住宅の床面積が50m²以上であること。
- (2)中古住宅を取得する場合は、築20年(耐火建築物は築25年)以内、もしくは、一定の耐震基準を満たしていることが証明されているもの。
- (3)贈与を受けた翌年の3月15日までに、取得した住宅に居住していること(または、居住することが確実であること)。
- (4)生前贈与であること。
※住宅取得資金に関する110万円までの基礎控除と併用できます。
(2)固定資産税(新築住宅取得の固定資産税の軽減措置)
新築住宅を取得しやすいように、新築住宅にかかわる固定資産税の減額措置の適用期限が2年間延長されました。これにより、平成22年3月31日まで適用期限が延長されています。
| 住宅の種類 | 適用期間 | 減額 |
|---|---|---|
| 一般住宅 | 平成22年3月末まで | 1/2(120m²相当部分まで) |
| 中高層耐火住宅 | 平成22年3月末まで | 1/2(120m²相当部分まで) |
- 〈主な要件〉
-
- (1)一戸当たりの床面積が50m²以上、280m²以下。戸建て以外の賃貸住宅は、40m²以上、280m²以下。
- (2)居住用部分が1/2以上であること。
- (1)一戸当たりの床面積が50m²以上、280m²以下。戸建て以外の賃貸住宅は、40m²以上、280m²以下。
国から地方への税源移譲に伴う、住宅ローン減税への影響について
平成19年より、地方への税源移譲により所得税率が変更されています。それにより、住宅ローン減税の適用を受けている方の中には所得税では控除しきれない場合があります。その場合は、年97,500円を上限に住民税から控除されます。「確定申告のときに申告」することで、翌年度の住民税で減税を受けることができます。必ず申告書の提出が必要です。該当するかどうかは、毎年の課税所得金額により異なります。
※詳細や不明な点は、居住する市区町村にお問い合わせください。


