住まいづくりの基礎知識

家づくり・リフォームの流れ、工法、図面記号、用語集など、住まいの基礎を分かりやすく解説。


知ってると得をする税制などのしくみを学ぼう。

建ぺい率・容積率・高さ制限・斜線規定

建ぺい率

 

建ぺい率とは、敷地に対する建築面積(建物の外壁またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積:下図参照)の割合で、「用途地域」ごとにその限度の数値が定められており、この数値内におさまる広さにしなければなりません。



つまり、敷地面積と建ぺい率によって建築面積の上限が決まるわけです。たとえば、敷地面積100平方メートル、建ぺい率50%の場合の建築面積の上限は、下記のように50平方メートルとなります。


注: 敷地が角地に当たる場合や商業地域で防火地域に建つ耐火建築物等、敷地に建てられる建ぺい率が緩和される場合もあります。


●建築面積の基準寸法


容積率

 

容積率とは、敷地に対する延べ床面積(各階の床面積の合計)の割合で、都市計画によって決められた数値と、前面道路の幅員によって定められた数値との、いずれか小さいほうの数値が容積率の限度として適用され、この数値内におさまる広さにしなければなりません。



たとえば、敷地100平方メートル、建ぺい率50%、容積率80%の土地の場合、延べ床面積の上限は80平方メートルとなり、1階を建築面積の制限いっぱいの50平方メートルとすると、2階床面積の上限は30平方メートルとなります。


注: 駐車場は延べ床面積の1/5まで、住宅の地階部分で天井が平均地盤面より1m以下にある部分は住宅部分の面積の1/3までは容積率の算定部分からは除かれます。

高さ制限

 

高さ制限とは、その土地に建てられる建物の高さの上限を制限するもので、用途地域や高度地区の種別、都市計画などによってそれぞれの上限値が決められています。たとえば、第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域内の場合、高さの上限は都市計画で定められた10mまたは12mとなっています(場所によって異なる)。

道路斜線制限

 

道路斜線制限とは、敷地が接している前面道路の反対側の境界線から一定のこう配で示された斜線の内側が家を建てられる高さの上限で、用途地域によってこう配の値が決まっています。
住居系地域  1.25倍 × 水平距離
その他の地域 1.5倍  × 水平距離

その他の制限

 

「隣地斜線」「北側斜線」「日影規制」などがあります。 所有地にはどのような制限があるのか、制限の数値・内容については、市役所などの建築担当部署で調べることができます。

建築物の高さに関する制限

 

都市計画法で指定する都市計画区域内では、市街地における住環境保護、日照確保や都市美観の整備のために、各種の高さ制限が定められています。ただし、都市計画区域外であっても、地方公共団体の条例で高さ制限が定められることがありますので、都市計画担当課で確認が必要です。

住居専用地域における絶対高さ

 

第一種および第二種低層住居専用地域内では、建築物の高さは10mまたは12mのうち、都市計画で定めた高さが上限となり、敷地面積や容積率に関係なく10mまたは12mより高くすることはできません。この上限のことを「絶対高さ」と呼びます。10m〜12mというと、木造住宅なら3階、コンクリート造なら4階相当の建物になりますので、一般の住宅ではほとんどがクリアできる制限といえます。なお、特定行政庁が建築審査会の同意を得て、許可した場合は各種緩和を受けられることもあります。

道路斜線制限

 

「道路斜線制限」とは、敷地が接する道路の反対側の境界線から、住居系の用途地域では1mにつき1.25m、商業系および工業系の用途地域では1mにつき1.5m上がる斜線の内(下)側に建物をおさめなければならないという制限です。建築によっては外壁がある階から斜めに折れたようになっているのは、この制限によるものです。なお、建築物を前面道路からセットバック(後退)させ、敷地の道路側に空地を設けた場合は、その後退した距離だけ、前面道路の反対側の境界線が向かい側に移動したものとして、道路斜線を適用することができます。

■道路斜線制限(建物を前面道路の境界より後退させないで建築した場合)

北側斜線制限

 

「北側斜線制限」とは、北側隣地の日照の悪化を防ぐために設けられたもので、隣地境界線上の第一種・第二種低層住居専用地域内は5m、第一種・第二種中高層住居専用地域内は10mの高さから内側に1:1.25の角度で伸ばした斜線の内(下)側に建物をおさめなければならないという制限です。

■北側斜線制限(第1種・第2種低層住居専用地域の場合)

日影規制

 

「日影規制」とは、商業、工業および工業専用地域を除く地域・区域内において、中高層建築物(第1種・第2種低層住居専用地域においては軒高7mを超えるもの、または地上階数3以上のもの、その他の地域においては、高さ10mを超えるもの)が一定時間以上の日影を一定距離の範囲に生じさせないように、建築物の形態を制限するものです。対象となる区域と日影時間は地方公共団体の条例で定められています。一般的に同じ形態であれば東西軸に配置するより、南北軸に配置する方が、日影規制上は有利となります。

天空率という考え方の導入

 

家を建てる場合には、以上のように斜線制限、容積率など様々な制限を考えなければならなかったわけですが、2003年(平成15年)1月に施行された建築基準法の改正によって、新たに「天空率」という高さ制限の考え方が導入されました。
「天空率」とは聞き慣れない用語ですが、天空を平面に水平投射した円形の図(天空図)により、全天に対する建物の割合と、建物にふさがれない空の面積の割合が一目瞭然となりますが、全天に対する空の面積の割合のことを「天空率」といいます。
それぞれ基準に定められた位置において、計画建物の天空率が、斜線制限に適合する建築物の天空率以上であれば、斜線制限に適合する建築物と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして、斜線制限の適用を除外するというものです。
この「天空率」によって、これまで斜線制限で利用できなかった容積率を有効に使えるようになったり、2面道路に面していたりして建物の形が複雑にならざるを得ない敷地で、構造の単純な合理的な建築物を建てることができる場合があります。さらに、建築物の構造の単純化や合理化によって、建築費などのコストが削減できることもあるようです。

この内容は2004年2月16日現在のものです。