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LOHAS(ロハス):Lifestyles of Health and sustainabilityの頭文字を取った略語で、心と体の健康と、地球環境に配慮したライフスタイルを意味する。現在世界的に注目されている価値観。
フード ディレクターとして、数多くのレシピを提案される祐成二葉さん。
昔から得意だった整理整頓は、収納上手へ、大好きな引越しは、インテリアやシンプルな生活術の提案へと進化し、その自分らしい暮らしぶりが、今話題のLOHAS的生活とも言われ、注目を浴びています。暮らしの達人に、二葉流、心地よい暮らしのヒントをお伺いしました。
[プロフィール]
ドイツ国立マイスター校卒業。5年間のヨーロッパ留学を経て、1988年「祐成葉子クッキングアートセミナー・フードコーディネーター養成コース」のメイン講師に就任。後輩を育成する一方、出版を中心に料理制作、テーブルコーディネートを数多く手がけ、高い評価を得ている。初心者向けの基本の料理レシピから、プロ向けのケーキデザインまでと幅広い。自らの著書では、料理制作、スタイリングはもちろん、イラスト、エッセイなども手がけている。最近では、シンプルに暮らす生活術を紹介し、インテリアや、収納の分野でも活躍。
「家は帰りたくなる場所」と語る祐成さん。一目ぼれした築40年の日本家屋をリフォームし、心地よい毎日を過ごしているとか。
引越し経験から学んだ住み替えの楽しさ、 習得した整理整頓の技術
―― 子どもの頃から多くの引越し経験をお持ちだとか。
父の仕事の関係で、子どもの頃はよく引越しをしていました。また、海外留学などでも多くの引越しをしました。 引越しの準備は面倒と思う方もいると思いますが、私は子どもの頃から慣れているせいか、全く苦ではありません。忘れていたものが出てきたり、いらないものを処分するなど、日々の生活の中で増えてしまったものの整理整頓ができるので、気分転換になる楽しい作業です。
石畳の趣きある玄関先。愛犬のグラッセがお出迎え。
海外で体験した上手な空間の使い方と 収納のある機能的な生活
――今まで住まれた中で、特に印象的な家は?
20代の頃、海外留学をしていましたが、その時に日本の家と海外の家の違いを肌で感じました。
日本の家は、リビング、子ども部屋、寝室などと各部屋に区切ってしまい、結果、活用できる空間が狭くなってしまいます。
外国の家は、部屋を区切るというよりは、広いワンルームの空間を自由に使っています。そんな空間の使い方が気に入り、帰国後は私もあまり仕切りのない部屋に住むようになりました。
――どちらに留学されていたのですか。
海外は、ドイツ、フランス、イギリスに住みましたが、その中でも一番長く住んだのはドイツでした。そのためか、ドイツでの暮らしの影響を強く受けていると思います。
ドイツでは、ホームステイの形式で、ドイツ人ご一家の家庭でお料理を教わり、掃除や家事を手伝うこともありました。
その家には、地下室があり、そこに食料庫や日曜大工をする部屋がありました。ヨーロッパでは、簡単な修理であれば自分でするということが、一般的です。
また、食料庫は、手作りジャムや野菜、お酒などの保存に活用されていました。地下室に多くの物が収納できることで、住空間はとてもスッキリしていました。家電も揃っているし、とても機能的です。
ドイツでの体験は、「生活は機能的に」という私の考え方を生んだと思います。
――その他、影響を受けたことはありますか?
家の好みも時と共に変化しています。フランスに住んでいた頃、友人の家が床・壁・天井・洗面など、すべてと言っていいくらい真っ白でした。とてもモダンでオシャレな感じがしました。その影響で、白いモダンな空間で暮らしたいと思い、一時期そういう家に住んでいました。
しかし、今は実際に生活をするには、日本家屋の方が落ち着く感じがして、日本家屋が好きです。
お気に入りの食器をガラスのアンティークケースに、上には調味料を見せる収納。
 この家に住みたい!! 築41年の家を二葉流にリフォーム
――現在、個性的な日本家屋にお住まいですが?
かなり古い家でしたが、初めて見た時に「住みたい」と思ってしまいました。しかし、実際に生活をするには、リフォームをしなければとても無理な状態。そこで、気に入っていた木造の雰囲気、柱、窓枠など、全体の雰囲気を残しつつ、機能的に暮らせるよう、リフォームをすることにしました。
まず最初に、生活をする家としての最低限の安全性を確保するため、構造計算をした上で、耐震補強をしました。そして、素敵な部分を残した自分好みの部屋づくりが始まりました。
リビングは畳の部屋でしたが、手持ちの家具との相性を考えてフローリングに、空間を広くするため、天井も抜いて梁を露出させています。
築41年という古い家なので、全体的なテイストは変えないようにして、壁や床の色を少し明るくしました。具体的には、柱をやすりで削って木本来の色を出し、壁も白くして全体的に明るく、少し軽い感じの色調にしました。さらに、柱の角をとることで、空間的に広がりを感じさせ、インテリアとのバランスがとりやすいよう、配慮しました。
――オリジナリティーを重視されたリフォームですね。
行きつけのアンティークショップにリフォームのプロデュースをお願いしました。
リフォームには1ヵ月くらいかかりましたが、私の好みを分かってくださっているので、基本的には大体のイメージをお話して、お任せするという形でした。もともと、一つ一つの造りがとても凝った家でしたから、基本を生かしつつ、現代の感覚を取り入れたという感じです。
緑溢れる庭に面した大きな窓は、祐成邸ご自慢の1つ。
部屋の雰囲気に馴染んだアンティークのテーブルは以前から使用している年季の入ったもの。
 
リビングは、素材を残して現代風にアレンジした祐成さん一番のお気に入りスペース。
風情は残して機能性をプラス、 和のしつらいを大切に、畳の部屋の一工夫
――暮らし始めてみての実感は?
今は、わが家に帰ってきて、とても落ち着く感じがします。
和のしつらいが好きなので、2階の2部屋は和室にしています。一方は仕事部屋、もう一方は寝室として使っていますが、階段を上がると畳の匂いがして何とも言えない落ち着いた気持ちになります。
畳はスペースを考えて正方形の琉球畳を使用、部屋の雰囲気に合わせて卓袱台を置いています。和のしつらいを大切にするには、やはり畳の部屋は欠かせません。時にはゴロンと横になれるのも畳の魅力、疲れも取れてリラックスできます。
また、2階は床暖房なので風通しの良い日本家屋でもとても暖かく、快適です。
風情は残して、機能性を加える。これが暮らしやすさの秘訣です。
日本家屋には必須の畳スペースは、琉球畳に。時にはゴロンと寝転べる安らぎの場所を確保。
できるだけ物は出さない しまい方にルールを作るお手軽収納術
――手軽にできる収納のテクニックについて教えていただけますか。
収納テクニック〜キッチン編〜
まず、物を置く位置を考えること。
私は、麺類はワインの木箱、乾物はステンレスのカゴというように食料をストックするケースを種類別に分けています。そうすることで、決まった入れ物に入りきらなくなったら、ストックが多過ぎるという目安になりますし、ここに何が入っているのかをきちんと把握できます。
わが家のキッチンで活躍しているのが、ベトナムで購入したカゴです。食料やおやつなど、普段使うものを入れておき、カゴが一杯になったら整理します。スッキリと収納するには縦長のカゴがお勧めです。
食料品や調味料をスッキリと収納しておくことで、手際よく調理ができます。いつもスッキリみえるように心がけ、隠す部分と見せる部分をつくると良いと思います。
収納テクニック〜小物、雑貨編〜
基本はキッチンと同じで、それぞれを収納する引き出しを決め、必要以上に物を増やさないことです。
わが家は、食器などのキッチン用品が多くあるので、リビングの押入れになっていた部分を収納スペースとしてリフォームしました。この収納は、使いやすいことは勿論、色や風合いが家に合っていて、壁全面が収納なのに圧迫感がないという優れもの。家具としても収納スペースとしても大のお気に入りです。
その他、グラス類は見た目もきれいですし、毎日使うものですから、見せる収納として重ねてあります。食器は毎日使うものは出し入れが簡単なカゴに入れてキッチンに置き、時々使うものは食器棚にしまうという“しまい分け”をしています。
主に食器を収納している押入れをリフォームして造ったこだわりの収納。レール付きの引き出しで、手前にすべて引き出せるように作っているため使い勝手もよく、収納力は抜群。
収納力抜群のオリジナルのキッチン。上の吊戸棚は元からあったものを利用している。
収納テクニック〜書籍編〜
もともとあった床下収納をリフォームしてつくった書庫は、とても便利で、見せる収納として活躍しています。
床下収納のままでは、大きなものをしまったきりであまり開けることもなくなり、機能的ではないと思い、洋書の収納兼飾り場所にしました。ちょうど窓からの光も入るので、時間のある時には横にいすを置いて読書をしたりすることもあります。スペース全体の雰囲気がとても落ち着く感じがあり、気に入っています。
また、瓶にいれた果実酒や冬にはワインを置くという活用法もできて本棚以外にも活躍しています。
床下収納をオープンスペースにしたことで、このスペースが生きたと思います。
――収納上手の極意とは?
物が増えたら、ある程度片付けないと、奥にしまったものを忘れてしまいがちです。また、買ってはみたものの使い勝手が悪くて放置したままになったりする物は片付けるべきですね。必要以上に物を増やさないこと、ある程度増えたら片付けることが上手な収納の基本と言えるでしょう。
簡単な模様替えなどを楽しみながら、「今日はこの棚」などと、こまめに片付ける癖をつけるといいと思います。
床下収納をリフォームしてつくった「見せる収納」の本棚。窓から光が入ることで白い壁が生きた明るくオシャレな空間に。
小さなことから始めよう LOHAS的生活は 生ゴミの再利用で庭の木々に命を吹き込む
――都会にありながら緑を見られることもご自慢の点では?
庭に面した南向きの大きな窓は、お気に入りです。ソファに座ってボーッと庭を眺めている時間はとても贅沢な気分になりますね。
半年に一度くらい、庭師の方に手入れをお願いしますが、基本的な庭の手入れは自分達でやっています。雑草を抜いたり、落ち葉を集めたり、結構やることがあるものです。そのせいか、以前に比べてホームセンターに行く機会が増えました。これも楽しい作業ですね。土にじかに植えられるからか、植物の育ちもいいような気がします。
最近は、「地球にやさしく」という意味から、生ゴミを処理機にかけて肥料として庭の土に返しています。これが、庭の木々の栄養となっていくので、小さなLOHASと言えるのでしょうか。現在は教室でもゴミを減らすために生ゴミ処理機を活用し、スタッフも楽しみながらゴミを肥料に生まれ変わらせています。そんな小さなことでも、皆が少しずつ身の周りのことから変えて行けたら、地球環境のためにも良いのではと思っています。
リビングから見える中庭。生ゴミからできた肥料で木々も栄養補給。
目指す生活スタイルは、 古い家を直して丁寧に暮らす
――ご自身にとって心地よい暮らし、心地よい家とは?
家は、「帰りたくなる場所」であるべきだと思います。
家に居る時間は、生活をしていく上で基本になっている部分だと思いますから、暮らしやすさは大切です。ただ、基本は大切ですが、ワンパターンは良くないと思います。当たり前というのは有難い事である反面、飽きもきますよね。そういった意味では、私は常に模様替えをして、暮らしに小さな変化をつけています。
また、今後目指す私の生活スタイルとして、「古い家を直して丁寧に暮らす」というテーマがあります。日本では、家は建てるというイメージが強いのですが、私の場合、数多い引越し経験から、自分のテイストに合う家を探し、そこをさらに自分の生活スタイルに合うようにリフォームをしていくことが楽しいと気づきました。
新築ではなく、以前に生活者のいた家の良い部分は継承し、自分らしさを加えることでさらに味を出していく。今後もプチリフォームや模様替えを繰り返し、自分なりの味を出した家で、心地よい暮らしができたらいいと思っています。
現在の日本家屋への引越しエピソードなどを語った『すてき生活』(アップオン)

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