| ――東京から京都に移り住まれ、京町家で生活されるようになったいきさつをお教えください。 |
結婚を期に京都に移り住んで10年になります。最初は、便利なマンション住まいでした。ただマンションだと、家の中での生活は東京と変わらないんですよね。せっかく京都にいるのなら、京都でしか住めない家、体験できない暮らしをしたほうがいいんじゃないか、ということになったんですね。それから洛中で一般公開されている町家を見学したり、住んでいる方にお話を伺ったりして、勉強しながら、徐々に、その準備をしていったという感じです。もともと夫(建築家)が、西陣の町家再生、再利用の民間ボランティア活動に関わっていた、というのもあり、私たちにとってそれは自然な流れでした。
| ――実際に町家を見られたことが日本家屋に興味を持つきっかけになったのですね。 |
日本家屋というか、古民家ですね。例えば私が今、住んでいる家は昭和初期に建てられたものですが、私にとってはもう古民家の範疇なんですが、京都の人の感覚だと、新しいということになる。戦災がなかったですからね、明治期に建てられた家がざらに残っているわけです。
禅に、「雨洗風磨」という言葉があるんですが、まさにそれですね。古い家というのは、風格があるんです。また間取りには、先人たちの智恵がつまっている。あえて不便な暮らしをしても、京都からそれを学びたい、そう思ったんです。
|