一覧へ

sumu2 Guest Room [12] タレント・灯りナビゲーター 結城未来さん“あかり”に魅せられ、光を上手に使った快適な暮らし

光の使い方ひとつで生活は快適にも不快にもなると気付き、日常生活に上手に光を取り入れる知識を広めるべく、『灯りナビゲーター』として活躍中の結城未来さん。毎日使っているのに意外と知らないあかり(照明)の知識や、実際にご自身が暮らしの中に取り入れている簡単な“光活用術”についてお伺いしました。
[プロフィール]
タレント、灯りナビゲーター。『めざまし天気』(フジテレビ)、『ニュースの森』(TBS)、『土曜競馬中継』(テレビ東京系)をはじめ、テレビ番組の司会やレポーターなどのテレビ・ラジオで活躍する傍ら、インテリアコーディネーターの資格取得を機に、カラーコーディネーター、照明コンサルタントの資格を取得。日本初『灯りナビゲーター』として生活を豊かにするための簡単な“光活用術”の情報発信をするため、新聞・雑誌等に執筆中。現在は、『生活ほっとモーニング』(NHK)のMCをはじめ、灯りナビゲーターとしてのテレビ出演なども多い。

 知らずに“あかり”環境が整っていたわが家

――子どもの頃に住んでいた家の印象的な記憶は?

一般的な一戸建ての家で生まれ育ったので、他の家と違う、わが家だけの特別な思い出というのはありません。と言うよりは、無いと思っていました、と言うべきでしょう。
わが家には、私が子どもの頃から調光機能のついたダウンライトや階段のフットライト、階段の上でも下でも電気のON、OFFが可能な三路スイッチなどが普通に用いられていました。インテリアの勉強をして初めて気付いたことなのですが、実は当時の住宅にしてはかなり、あかりに対する工夫をされた家だったのです。

先端の“あかり”環境を目にしてきた結城さん。あかりで安らぎのひととき。(*)

――あって当たり前のものが、実は最先端のものだった?

そうですね。住環境に対する知識を得てみると、当たり前のように新しいことが取り入れられている家だと知りました。ただ、そこに住む人間が環境の意味や価値を知り、使いこなせていたかというと、その辺はダメでしたね。
普通に家にある物が、こんなに価値のある物なのだと、家族に話しても、
「そうなの?」
という感じで……。
家を建てる際にお願いした知り合いの建築家の方が、いろいろと工夫をしてくださったらしく、気づかない間にちょっと進んだあかり環境の家で過ごせていたわけです。


――“あかり”環境以外にも最新の住環境はありましたか?

父の仕事の関係で、一時期、北海道に住んだことがあるのですが、その時の家で印象的だったのが、セントラルヒーティングです。
東京近郊でしか生活をしたことがなかった私たち家族の頭の中では、北海道で暮らすことイコール極寒の地に行く、という図式があり、物凄い厚着をして暮らすイメージを持って引越しをしました。
しかし、部屋の中に入ってみたらとても暖かく、上着もセーターもいらない。家の中の温度はどこでも一定に保たれるセントラルヒーティングという環境を初体験しました。これは驚きでしたね。「真冬でも家では半袖で暮らせる!」、みたいな感じ。部屋の中では、「関東の家の方が寒いのでは?」と思ったことを覚えています。
ちなみに、家の中の事故で多いのは、室内での寒暖の差が原因になることが多いと言われますが、北海道はそういった家庭内事故が少ないらしいのです。生活の知恵の正しさが実証されているデータですよね。やはり、家の隅々まで一定の温度で暖かくなっていることには意味があったのだと実感しています。

周りをパッと明るくする結城さんの元気の秘訣は、“あかり”を活用した質のよい睡眠だとか。


失敗しないための知識習得、 身の周りのことからしっかり知りたい

――インテリアコーディネーターの資格をお持ちですが、以前からインテリアに興味があったのですか?

いいえ。特にインテリアに興味があるということはなかったのです。
そんな私が、突然インテリアコーディネーターの勉強を始めたのは、知り合いがリフォームを失敗したことが原因でした。
洗面所のリフォームをしたのですが、洗面台と壁の間に10cm足らずの隙間ができてしまったのです。この隙間では、隙間家具と呼ばれるようなものさえ入らない、使い道のない隙間です。
知り合いは、「使いにくい」と言いながらもクレームを言って直してもらうこともせず、そのまま使っていました。その後、別のお宅でも「リフォームしたものの、なんか使い勝手がよくない」と言うお話を何度か聞くことがありました。
そんな中で、私は「家」について考えるようになったのです。

趣のある空間を演出するのも“あかり”。ちょっとの工夫で魅力的なあかりの空間に。結城さん撮影。(*)


――具体的には?

私たちが毎日生活をする上で、家で過ごす時間はとても長いわけです。生活の拠点である場所にも関わらず、知識が無いために居心地のいい空間を創ることができていないのではないか?
だったら、快適な環境を創るために家に関する知識を得たい。そうしたら、リフォームをしても失敗して泣き寝入りということもないだろうと思ったんです。
私は仕事柄、多くの方のお話を伺ったり、一般の方が入れないような場所に入って取材をする機会が多い分、他の人よりもいろいろな知識があるような気持ちになっていたんですけれど、実は、自分の一番身近な「家」に関しては何も知らないことに気付いたのです。
表面的なことだけではなく、なぜ居心地が悪いのか、なぜ使い勝手が悪いのか、どうしたら改善できるのかといったことを知りたい。そういった知識があれば、きっと自分の生活も快適になり、周りの方にも提案できるのではないかと思い、インテリアコーディネーターの勉強を始めました。

家の中には知らないことがいっぱい。損をしないためにも知りたいことが、まだまだたくさんあるとか。


 知り始めたら奥の深い建築知識、 そして新たな興味との出会い

――実際に学び始めた感想は?

家の成り立ちから勉強するので、「家」と一口に言っても、さまざまな形、趣向があり、それによって住み心地も大きく変わるということを知り、日々「へぇ〜、そうなんだ」と、学ぶことばかりでした。
そんな中で、一番「へぇ〜」と思い知らされたのが、照明(あかり)でした。照明ひとつで、その部屋の雰囲気や、使われている素材が素敵にも、台無しにもなる。これは驚きでしたね。

あかりを当てる場所、色を変えるだけで、いつもの部屋が一瞬にして別空間に生まれ変わる。(*)


――そこから“あかり”への興味が深くなっていったのですか?

生活の中で、何も考えずに毎日使っている照明が、「こんなに影響力があったのか! だったらきちんと知っておかなければいけない」と思って勉強をしてみたら、部屋の雰囲気を創るだけではなく、心理やホルモンバランスなどの生理の部分にまで照明の影響があると知り、さらに興味が深まっていったのです。
例えば、マンションを購入する、家を建てるといった時に、壁紙やカーテンのことはいろいろと勉強しても、照明のことは業者任せということが多くないですか?
そうすると、調光器、ダウンライト、シーリングライト、間接照明など多くの機能がついているのに、使いこなせない。
うちの家族がそうであったように、いくら最新の器具があっても、正しい使い方やその器具の価値が分からなければ何の意味もありません。それって、折角あるのに、もったいないですよね。
この「もったいない」を実感したことで、私の“灯りナビゲーター”への道が始まったのです。
自分の身の周りにあって気軽に使えるあかりを上手に使ってもっと快適な暮らしをしようと提案するため、灯りナビゲーターを名乗り、あかりに関する情報発信を始めるようになりました。

灯りナビゲーターとして身近な照明の簡単活用法を多くの人に伝えたいと語る結城さん。


未来流・簡単あかりナビ 〜照明を上手に使って快適な生活を〜

――灯りナビゲーターとして照明の上手な使い方を発信されていますが、ご自身が実践されているお薦めの活用術を教えてください。

その1.快眠編
眠りの準備同様、眠るためのあかりの準備

私が愛用しているのは、タイマー付きライトです。
夜中にパソコンに向かって原稿を書く作業をしていると、疲れて一刻も早く眠りたいはずなのに、いざ、ベッドに入ってもなかなか寝付くことができなかったり、眠りが浅いと感じることが多々あります。それを改善しようと始めたのが、タイマー付きライトを使った眠るためのあかりづくりです。
仕事を終えたら部屋のあかりは消し、タイマー付きライトだけをベッドの脇に置き、ランプが見えないような角度にして床に当てます。すると、床の反射で壁がフワッと明るくなります。
いわゆる、間接照明になるわけです。すると、とても優しい雰囲気になり、焚き火のような暖かさを感じられるんです。そんな柔らかいあかりの中で、着替えやストレッチなどの寝る準備をしてベッドに入ると、自然と眠くなっていくのです。 つまり、眠れるあかりの中で、眠りの準備をする。心も体も、活動モードから眠りモードにゆっくりと切り替えるまでの所要時間は最低でも30分は欲しいところ。
ベッドに入ったときは灯されていたあかりもタイマーで徐々に暗くなり、眠りについた頃にはしっかりとスイッチOFF。こうすると、30分ベッドに入るのが遅れるように思えるかもしれませんが、質のよい睡眠をとるためには急がば回れ。就寝前に眠れるあかりで過ごすことは、とても大切な行程なのです。
これは、逆の使い方もできます。朝起きる時間の30分前にタイマーをセットして徐々に部屋を明るくして体に目覚めの準備をさせる。そうすることで、脳も体もスッキリと目覚められます。

仕事、就寝、起床と1台で何役もこなす結城さんお気に入りのタイマー付きライト。
詳細情報はこちら>>


その2.メイク編
クリップライトで“キレイ度”アップ

いうまでもなく、メイクをする時のあかりはとても重要です。明るいあかりの下でメイクをすることが大切なのはもちろんですが、それ以上に大切なのは顔にできる影に注意すること。
あかりの当たり方で影になった部分は、気付かないうちに厚塗りにしてしまいがち。家ではきれいにメイクしたつもりが、外に出たら「えっ、何これ!」と落ち込んだ経験のある方は少なくはないでしょう。
こんな失敗を無くすには、クリップライトが活躍します。まずは、メイクする鏡の前で自分の顔の影になっている部分をチェック。その影がなるべく薄くなるような位置からクリップライトを当ててみましょう。例えば、洗面所のあかりが上からだけなら、横や下から光を加えてみる。これだけで、メイクの仕上がりは格段によくなります。モデルさんや女優さんがメイクをする時に多方面からライトを当ててメイクをするのは、すべて顔に影の部分を作らないための工夫です。 クリップライト1つで、キレイを手に入れられるのですから、即、実行してみてくださいね。

あかりは空間を演出するだけではなく、自分をキレイに演出する“モテ明かり”もあるとか。(*)

暮らしのさまざまなシーンに関わる照明を上手に使いこなして快適な生活を。


その3.バスルーム編
あかりをコントロールして気分に合わせ演出

バスルームを、気持ちを切り替える大切な場所と考える人は多いと思いますが、その日の気分や体調、時間などによって入浴の目的は変わることがあります。その時の気分によって、気軽に明るさを変えられるグッズを使うことをお薦めします。
例えば、バスルームの照明に専用のアダプタを付けるだけで湯船に浸かりながら明るさを100%、40%、15%、1%、0%と手元でコントロールでき、リモコン自体が湯船でカラフルに光るもの、湯船に浮かべたり、沈めたりできるLED(発光ダイオード)のグッズなども、バスルームをカラフルに彩ってくれます。

その4.キッチン編
オレンジ系の光は美味しさを引き立てるスパイス

一番簡単なのは、キャンドルをテーブルに置くこと。キャンドルのやさしい炎が料理も気分も引き立ててくれます。
しかし、毎日キャンドルを灯して食事をしていられない。それならキャンドルの炎に近い色のあかりを選べばよいのです。例えば、電球を白熱灯かオレンジ系のあかりにすれば、光と影の立体感で料理が引き立ちます。料理は味だけでなく、目でも味うもの。あかりも美味しさのスパイスに加えてしまいましょう。

その5.防犯編
泥棒の心理を利用した、あかりで撃退

ある番組で、泥棒の心理を取材したことがありましたが、泥棒は、人の目、音、光を嫌がると言います。この泥棒の心理を逆に利用し、光を使った防犯ができます。
例えば、留守宅に人が居るように見せるための光。タイマーを利用してあかりを調整すれば、定時に家に帰ったように見せることもできますし、玄関にセンサーライトを取り付ければ、泥棒撃退以外にも、自分が帰宅した時にも便利です。
現在は、防犯機能の付いた本格的なライトなども発売されていますが、ほんの簡単なことから始めてみても、結構効果があるものです。

あかりの魅力や、照明を生活に取り入れるためのヒントがたくさん詰まった結城さんの著書。(PHP新書)


 どうせ住むなら心地よく、 快適な暮らしのためにあかりを上手に使う

――ご自身にとって家・暮らしとは?

家は、長い時間過ごす場所、そして自分を休ませる場所ですから、とにかく居心地のよい安らげる空間であることが重要だと思っています。
特別にお洒落な部屋に住まなくても、あかりの工夫で素敵な部屋に生まれ変わる。きちんとした使い方が分かっていれば、あかりで自分の気持ちや行動さえも動かすことができるということを踏まえた上で、今後も生活の中にあかりを上手に取り入れ、快適に暮らす工夫をしながら、心身ともに健康に、そして元気になれる部屋で暮らしたいと思います。

多くの人に光(あかり)を上手に使った快適な生活をして欲しいと話す、結城さんからのメッセージ。


(*)印の写真は、結城未来さん提供。

一覧へ