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出会いは1冊の本から始まりました。住宅雑誌を見てシナ合板(※2)を巧みに使った明るくシンプルな家にあこがれ、『自分の家もこんな風にリフォームできないかな』と思ったのです。雑誌にあった設計者の連絡先から思い切って建築家の荒木毅さんの事務所に電話をすると意外にも優しく温和な声が返ってきました。
「住宅のリフォームはまだ経験がないけれど、もしそれでよければやりましょう」。その声でわが家のリフォームが始まりました。
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※2 表面がシナ材、中芯が南洋材の合板。塗装下地や家具などの内貼り材として使われている。 |

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わが家は東京・足立区の荒川沿い、町工場も多い住宅地に立地しています。1階は両親が営む工場と両親の所帯の玄関。2階の半分に私たち家族4人が暮らしています。玄関を別々にした2世帯住宅です。
リフォーム前の住まいは、東西に長いLDK(18畳)と主人が書斎として使っていた南北に長い寝室(9畳)、和室(6畳)といった間取りでした。インテリアもその都度のリフォームで統一されていませんでした。 |

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リフォームで私が望んだのは、今回は外観、キッチンには手をつけないと決めたうえで、
(1)子供たちのために独立したスペースを設けたい
(2)寝室から主人の書斎を独立させたい
(3)統一感のあるインテリアにしたい
(4)費用は1000万円以内に抑えたい
(5)家族のコミュニケーションを重視して、和やかな住まいにしたい
―――などでした。 |

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荒木さんは全体的なプランとして、リビングを通らなければ各室に行けない“リビングを中心とした部屋割り”で、“リビングに家族が自然と集まる”ように部屋をレイアウトされました。
インテリアには特に気を遣っていただき、私の好きなシナ合板を使って統一感のある洒落た住まいになったと思います。子供室、寝室なども居心地の良い部屋となっています。
広いバルコニーには念願の主人の書斎が独立して設けられています。
それぞれの部屋は、ダイニングとリビングの向きを変え、寝室を移し、新たに子供室を設けるなど素人の私たちではとても考えつかない大胆な変更です。LDKは奥の和室と連続していて、部屋全体がとても広く感じられるようになっています。
シナ合板の利用でコストも抑えられ、明るく快適なリフォームになって、家族みんなが満足しています。 |

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工務店の選択も荒木さんに任せました。信頼してお任せするのですから、荒木さんの一番わかりやすい方法がいいと考えたのです。今回施工をお願いした長野工務店の長野専務とは、10年以上のお付き合いになるそうです。お互いの仕事の癖や好き嫌いも熟知している間柄で、息もぴったり。早い時期からの打ち合わせでも、お互いに意見を出し合い、頼もしく感じました。こうした現場でのやり取りが繰り返されたため、私も言いたいことが言え、思いが伝えられず後悔するということはありませんでした。リフォーム成功術の一つかもしれません。 |

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私にとって荒木さんとの打ち合わせに工務店さんが同席することは大きなメリットでした。
何より、現場の大工さんに設計の方や自分の意図がしっかり通じているという安心感があります。疑問点や施工の過程で新たな希望が出てきた時も、その場で相談でき、微妙な軌道修正もできます。
当初、トイレの棚やリビングテーブルは荒木さんの設計に組み込まれていませんでしたが、リフォームのプロセスの中で私がお願いし、長野専務が造ってくれました。 |

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荒木さんは、初期の段階から工務店さんをリフォームの計画に参加してもらうメリットとして、
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建築家と一緒に現場を詳しく見ているので工事を請け負って初めてわかるリスクがなく、私たちに明確な見積りを出せる |
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設計図をより深く理解でき、無駄な作業をしなくてすむので、費用の削減ができる |
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構造や材料など現場の知識を施主や建築家に知らせ、より創造的な部分でアドバイスができる |
―――と説明してくれました。
当初、リフォームの予定になかったシステムキッチンを「扉だけシナ合板を貼ることでインテリア全体と調和できますよ」と長野専務から提案がありました。天井のシナ合板(目透かし貼り)(※3)の目を互い違いの方向にすることで、光が当たったとき市松模様のような面白さを味わえます。素人の私たちではわからない、専門家ならではの提案が部屋の雰囲気を素敵に変えてくれました。
また、シナ合板にしても「質の良い板を使えば時間が経っても変色はそんなに心配いりませんよ」とおっしゃっていただきました。現場を知る長野専務の言葉に安心させられました。お願いする私たち、設計をする建築家、実際に施工をする工務店さん。お互いが知恵を出し合ったからこそ、満足できる住まいのリフォームが完成したのだと思います。
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※3 天井などを貼る場合に、材と材の隙間にすかし目地をもうける貼り方。隙間の幅は貼る材の厚みと同じ幅にすることが多い。 |
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| 所 在 地 |
:東京都足立区関原 |
| 設計・監理 |
:荒木毅建築事務所 |
| 施 工 |
:長野工務店 |
| 施工面積 |
:106.7u |
| 工 期 |
:約60日 |
| 工 事 費 |
:約1000万円 |
| 築 後 |
:12年 |
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| バルコニーの一部に設けられた書斎。“離れ”として独立させることで、リビングスペースにゆとりをもたせています。 |
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| リビング奥の和室。リビングに続く障子を開ければ開放的な雰囲気になります。 |
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| シンプルな雰囲気の玄関。以前あったトイレを移設して空間を広く使っている。両脇は下足箱と収納棚を設置。突き当たりは和室になっています。 |
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| 子供室。あえて壁を設けず、子供コーナーといえる空間としています。本棚を間仕切りとしてお子様2人の勉強部屋に。写真右の階段を上がったロフトは2人の寝床になっています。 |
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