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こんな暮らしがしたい! 骨董ギャラリーをもつ職住一体(SOHO)の家

職場と自宅を兼ねたN邸。地元産の木材をふんだんに使い、ナチュラルテイストに。

緑豊かな自然に恵まれ、田園風景が広がる三重県・白山町。小鳥の鳴き声が聞こえる新興住宅地の一角にN邸があります。N邸のご自慢は、骨董品の数々が並ぶ玄関ギャラリー。自営業で来客の多いN邸は、このギャラリーが第二の応接間として使われています。杉やヒノキなど地元産の木材を多く使い、地元の大工さんが建てるなど、建材も人も地域密着に徹したギャラリーハウスをご紹介します。
建築家の提案で玄関に設けた ギャラリースペース

山林と田園風景が広がる住宅地の一角に建てられた職住一体の木造2階建て住宅です。現代風に言えば、家に事務所があるSOHOなのですが、伝統的な木造軸組の在来工法による落ち着いた装いが、SOHOという語感とは異なるイメージを抱かせます。
現在、N邸はご夫婦とお子様3人の5人家族、現在は長男が下宿をして不在のため、4人暮らしです。施主のNさんは、敷地内に事務所を構える自営業。20年前からここで仕事を始め、住み続けてこられました。
建物の老朽化を機に、建て替えを計画。奥様の友人のご主人が建築家であることから相談をされました。当初は、事務所と自宅を別棟にすることを考えていましたが、生活の便利さや経済性などを考慮する中で、住宅内に事務所を併設することにしました。

職場と自宅の中央に位置する広いスペースを確保した玄関は、ギャラリーの機能も併せ持つ。
ギャラリースペースは 職場と自宅の緩衝スペース

職住同一住宅の欠点は、仕事とプライベートの気持ちの切り換えが難しいことです。この難点を解消するため、建築家は事務所と居住空間の間にある玄関に広い土間を設け、そこを奥様の趣味の骨董品を陳列・展示する「ギャラリー」としました。
最初は「ギャラリー」という言葉に尻込みをした奥様も、打合せを重ねるうちに、「床はテラコッタにしたい、壁は土塗りの感じがいい」などと、積極的な姿勢に変わっていきました。展示する骨董品の色調に合わせた造り付けの家具も奥様の希望を取り入れたものです。
お客様をお迎えする玄関として、また、第二の応接間として活用されているギャラリーの存在は、Nさんが住まいに戻る短い距離の中で、気持ちを切り替えるのに役立っていると言います。

骨董にあわせた色で造り付けた物入れ。右の棚は郵便受けで、家の中から直接郵便物が受け取れる造りに。

ギャラリー奥のドアを開けると職場に直結。
小さな窓の採光設計で実現した 明るいリビング

N邸の2階の間取りは、一番日当たりのよい南向きを子ども部屋としています。
リビングは北東に面していますが、昼間はあかりをつける必要がないくらいの明るさです。これは、大きな開口部を1ヵ所に設けるより、小さな窓でも多方向からの採光を確保するという建築家の提案です。またリビングを広く見せるためもあり、天井の高さを5.7mとり、スリット状にハイサイドライトをぐるりと廻しています。小さくとも南からの採光があることで部屋全体が明るい雰囲気に包まれています。

外観
北東のリビングの屋根を高くして、採光窓を設けている。

高窓から自然光が差し込み、日中はあかり要らず。
 寒い季節の快適性を保つ床暖房 2階スペースの8割に採用

2階の居住スペースは奥様の希望で床暖房を敷設。一戸建てのフローリングは冬になると足元が寒いという心配から、いつでも温かいキッチンで快適に家事をしたいという願いを実現したものです。廊下など共用部も含めて約8割のスペースに採用されています。
リビングの畳スペースに設えた掘りごたつも、中の床部分を床暖房にしています。畳の上に寝転んでくつろぐのが奥様の長い間のあこがれでした。畳スペースの下はビデオテープの収納にぴったりな深さの引き出し収納になっています。

畳の下には収納を造り付け、有効活用されたスペースに。

畳と掘りごたつで和テイストを。骨董も和の雰囲気を引き立てる。

食器の形状・サイズを計算しつくし 効率収納を追及したキッチン

奥様の趣味が骨董収集だけあり、N邸にある食器も個性的なものが多く、収納が長い間の悩みでした。このため、数多い食器を効率的に収納し、使いたいときにすぐに出せる収納造りがキッチンの大きな課題でした。普段はなるべく見えないように、使うときには簡単に引き出せるようにという注文から、炊飯器もシンクの下の引き出し型収納に収めるようにし、収納量も大きめに確保。耐震対策も施し、しまいやすく出しやすい使い勝手のよい収納を実現しています。
収納は随所に設けられ、洗面室では、家族のパジャマや下着などの衣類をしまう収納スペースを確保。汚れた衣類等を一時保管する収納ボックス等も洗面台下に造作し、スッキリと片付く洗面室にしています。

建築家と工務店のコラボレートしたすべてをしまえる収納は、奥様のお気に入り。

洗面カウンター右下の収納ボックスに汚れた衣類を入れ、浴室へ。入浴から上がれば、左側収納棚からパジャマや下着を取り出せ、スムーズな動線が確保されている。
 今と将来を考えたスペースづくり

リビングは、購入予定のピアノのサイズに合わせピアノを置くスペースをつくり、手元にあかりが届くように工夫。
また、ロフトスペースをベッドにした子ども部屋は、部屋の中央に仕切りをすることで部屋を分けられるようにし、お子様の成長に合わせてスタイルを変えられるようになっています。
収集した骨董を見せる収納として玄関ギャラリーを設けたN邸は、住空間全体でも入念に計算された収納と機能性が同居する憩いの住まいとなっています。

マイホームの完成を記念してつけた家族の手形。 

ピアノ用につくったスペースはジャストサイズ。

所 在 地

三重県白山町

設   計

久保田英之建築研究所
久保田英之

施   工

樫谷建築、瀧川建設

構   造

木造2階建

敷地面積

320.89u

建築面積

155.43u

延床面積

275.54u(店舗部分含む)

竣   工

2003年3月

工   期

約240日

工 事 費

約5,000万円

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