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こんな暮らしがしたい! リビングから愛車を愛でる家

目隠しにもなるルーバーがアクセントになった外観。

焼き物の街で知られる、岐阜県多治見市にI邸はあります。中学生の頃からの憧れであるバイク「ハーレーダビッドソン」を手に入れた施主のIさんが、バイクを見ながら過ごす生活を夢見て建てたインナーガレージのある住まいです。バイクをいつも見たい、ディスプレイのように飾っておきたいというバイクが主役の要望から始まった住まいづくりは、明るく伸びやかな空間と、癒しの空間が広がる住まいを実現しています。大事な愛車を守る防犯面や快適性追及へのこだわりも随所に見られる住まいです。
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「バイク中心の生活がしたい」から始まった家づくり
Iさんが要望したのは、「子どもの行き来が見える家」、「バイクを家の中に入れたい」、「水槽を壁に埋め込みたい」という明快なもの。中でもバイクを中心に楽しみたいというのが一番の要望です。
それを受けて建築家は、ライフスタイルを中心にした個性的なプランニングを提案し、要望の3つをすべてリビングに集約した設計で実現しています。もともとIさんのお兄さん夫婦の家を設計したことから面識のあったIさんと建築家。お兄さん夫婦の新築現場を進める中でも会う機会が多く、設計の打合せもしやすかったと言います。
Iさんのバイクへの憧れは中学生の頃から。大学生の時に免許を取得し、初めて乗ったのが400ccのバイクです。その後、金銭的にも自由度の高い独身のうちにハーレーダビッドソンを購入しようと考え、3年前に手に入れたご自慢の愛車です。
3つの要望を実現したリビングは、吹き抜けの広い空間に。
 愛車ハーレー映えるインナーガレージ
南に面する玄関ドアの隣には、もう一つの両開きドアがあります。愛車専用のドアです。ドアの先は、Iさんご自慢のバイク、ハーレーダビッドソンが駐輪されているインナーガレージです。ガレージに接する玄関通路とは段差を設けています。その段差がちょっとしたステージのようで、照明と壁を白色にしてコントラストを出し、真っ赤なハーレーの存在を際立たせています。
インナーガレージは、玄関通路からはもちろん、リビングからもよく見えるようにポジショニングされています。ステージの役割をしている段差が、リビングからの段差も解消しています。タイヤの一部分が隠れて見えないようなのは嫌だというIさんの強い要望があり、スペースはハーレーをメンテナンスしやすい広さを確保し、ガラスが結露等で見えなくならないようにペアガラスを採用しています。 夜、リビングの照明を抑え、ハーレーをライトアップしてソファから眺める時間は、Iさんの毎日のお楽しみです。
ご自慢の愛車のために設計された空間は、まるでショウルームのよう。
人用とは別に、愛車用の両開きドアを設えたスロープ付き玄関。
シンプルさを追求しスッキリした空間づくり
I邸では木造在来軸組工法を可能な限りシンプルに組むことでスッキリした空間づくりをしています。外観上もさることながら、内観も収納扉などはすべてアウトセットにすることにより、壁面との段差をなくしスッキリさせています。建築家の「余分なことはすべて排除することで、空間に広がりを持てる」という考えからです。設計の話し合いを進める中でIさんは次第に、「空間はスッキリと広い方がいい、贅沢に使う空間を優先したい」と思うようになりました。
リビングにある、どっしりとした存在感のある座卓テーブルは、Iさんのお気に入りで、かつては飲食店のカウンターで使われていたものです。それを譲り受けて9cmあった厚板を半分に薄く切り、奥行きを確保するためにつなぎ目の中央部分にどんぐりの木を入れ、職人の手で仕上げられた一枚板の創作家具です。棟自体が通常の家よりも低いI邸ですが、座卓テーブルにしたことで天井がより高く感じる空間が広がっています。リビングの吹き抜けは、建築家の提案で実現したものです。
Iさんが感動した吹き抜けは、想像以上の広い空間と採光を実現。
デッキの反射も利用して太陽光を家の中に取り込む
Iさんが広い空間とともにこだわったのが、採光です。外観のアクセントにもなっているルーバーは、光を取り込みながら、プライバシーを確保しています。
商業地域に建つ住宅で、どれだけ明るく開放感のある家を実現できるのかと考えた建築家が出した答えが引き戸の納まりでした。南面の開口部引き戸はすべて、壁に引き込めるようにすることで開放感があり、より庭との一体感をつくり出しています。
開口部と庭の間にあるデッキは建築家からの提案で採用されたものです。本物の木を使い視覚的にやすらぎを与えるだけではなく、デッキの反射を利用して太陽光の明るさを家の中に取り入れる働きもしています。また、植栽の多い庭に造り込むよりもデッキにすることで少しでもメンテナンスが楽なようにと配慮されています。デッキはバーベキュースペースになったり、コート部分は将来、お子さんが遊んでいても安全なようにと設計されています。
視覚的にもやすらぎとゆとりを感じさせるデッキ。
暑さ寒さを軽減する快適性への配慮も
Iさんが両親と過ごした家で質のよい白木が使われていたことから、木のぬくもりを感じる無垢材を使いたいというこだわりがありました。I邸の建つ岐阜は、木の国山の国と謳われるように、地場産の良質の木材があることでも知られています。床には東濃ヒノキ、天井材には、断熱効果のある3cmの厚さのある長良スギを使っています。暑さ寒さが厳しい土地柄から、天井材に通気層を設けることで快適空間を保てる工夫もしています。木をふんだんに使い、むき出しにすることで結露もほとんどないのが特徴です。
リビング、キッチン、水まわりの暖房には床暖房を採用しています。ヒノキなどの針葉樹は暖房に弱くひび割れを起こしやすいため、床暖房の上にもう一枚コンパネ(合板)を張り、ワンクッション置いて熱が伝導するように工夫されています。熱伝導率は若干落ちるものの、木の保護と暖房の取り合わせでベストな方法が採択されています。
木のぬくもりを感じる明るい空間は将来の子どものためのスペースに。
泥棒の心理をつく大きなガラスが高めた防犯性
道路に面した部分を塀で囲うことで外からの視線をさえぎり、家族だけの空間を手に入れた一方で、気を配ったのが防犯です。いったん、泥棒に敷地内に入られてしまったら、塀が目隠しになってしまい外からは見えにくい状況です。そのため、開口部の窓には外から見えない位置に鍵を設定しています。当初の計画段階ではよく見られるタイプのクレセント錠を考えていましたが、窓越しに外からもクレセントの位置が丸見えになるため、そこを割って進入されないようにしたものです。
また、開口部には大きなガラス窓を採用することで、小さい窓よりも割りにくさを感じさせる手法も取り入れています。泥棒の心理をついた工夫です。Iさんの大切なハーレーもディスプレイ中は、車止めにワイヤーチェーンでしっかりとロックされています。
壁面とフラットにした収納扉。開口部につながる庭にはスロープがあり、車椅子にも対応。 将来、母親と同居するためのスペース。
癒しや安全・機能性を重視した設備選び
リビングを見渡すように造られているのがキッチンです。楽しく作業が進められるように対面式を採用し、ここからもハーレーや水槽を悠々と泳ぐレッドアロアナを見ることができます。I邸では、イニシャルコストよりもランニングコストを考えオール電化を採用しています。IHクッキングヒーターをはじめ、食器洗い乾燥機導入など、安全性と機能性も重視。家事作業もストックヤード、キッチン、ユーティリティー、洗面・脱衣所、バスルームまでが横一直線につながった機能的な動線を確保しています。
バスルームにはTVをはじめ、ジェットバス、ミストシャワーが設えられ、まるで居室化したくつろぎの空間が広がっています。リビング以外にも広がる癒しの空間に、Iさんはとても満足されています。照明も一室一灯ではなく、ダウンライトやスポットライトにし、やすらぎ効果のある間接照明も多く取り入れています。照明の色も、くつろぎや暖かさを感じる白熱灯を主体に選んでいます。
使い勝手が抜群という、機能的な設備のキッチン。
リビング壁面に組み込まれた水槽は玄関側にも面し、訪れた人も楽しめる癒しの空間に。

所 在 地

岐阜県多治見市

設   計

WORKS・WISE
(ワークス・ワイズ) 大桑博彦

施   工

高垣組

構   造

木造2階建

敷地面積

340.87u

建築面積

104.72u

延床面積

149.81u

竣   工

2005年3月

工   期

約150日

工 事 費

約2,700万円

平面図
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