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こんな暮らしがしたい! 趣のよさを残しながらリフォームで実現したゆとりの快適空間” 大阪府・東大阪の家

外観
目立つ軒裏を活かして板張りにすることで、印象的な外観に。

大阪・奈良府県境にまたがる生駒山麓に広がる河内平野に位置する大阪府・東大阪市。かつて私鉄が大阪市内への利便性の高さから沿線を開発した閑静な住宅地の一角にI邸があります。多くの人が集える広さを求めて、リフォーム前提で中古住宅を買い求め、ゆとりの空間と満足を手に入れた住まいをご紹介します。
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長年、住み慣れた地での 快適な生活を実現する住まい探し

60歳代の施主のIさんご夫婦の住まいです。これまでIさんは今回、購入後リフォームした住宅のすぐ近くの一戸建てにお住まいでした。お子さんが独立し、これからの夫婦二人の生活に、より快適な設備と、多くの人が集えるスペースを確保したいなどの思いから、新しい住まいを考えていました。
新しい住まいの中で欠かせない条件の一つが、独立されたお子さんも近くに住み、Iさんご夫婦も住み慣れた地という立地です。その頃、新聞折り込み広告で売りに出ている中古物件を知り、内覧見学に行きました。
7LDK(250m²)という広さと、内観の重厚な木の質感のインテリアに一目惚れして築20年の住宅を購入。外観は、当時の住宅によく見られる長い軒と瀟洒なつくりが印象的な木造2階建て。内観も個室部分が多くあるものの可動間仕切りを用いた、用途に応じて使い分けできる実用的な設えの住まいです。

右手前はLDK入口、左奥が二間続きの和室。奥正面が玄関(リフォーム前)。

可動間仕切りで使い分けるキッチンとリビングは18畳弱の広さ(リフォーム前)。

Iさんを一目惚れさせた、重厚な趣のあるデザイン(リフォーム前)。

以前の住まいの不便さを払拭する “リフォーム”でさらに快適性を追求

リフォーム前提で住宅を取得したIさんは、インターネットで探し当てた建築家を訪ねました。お子さんと同世代の建築家に、若い感性を期待して依頼を決意しました。
Iさんご夫婦からの要望は、「トイレと浴室など水まわりの移動」、「人がたくさん集えるスペースの確保」、「明るい家」というものでした。以前の住まいでは、5LDK(木造3階建て150m²)という広さはあったものの20人ほどしか座れない8畳のリビングのスペースや暗さなどの不便さを感じ、それを払拭する内容でした。
リフォームは、土台、外壁・屋根・柱など躯体を残しながら間取りを一新する、木の質感を活かしたプランでスタートしました。

隣家に接する塀には、ルーバー状の板を用い、視線を遮りつつ通風や採光を確保する工夫も。

外構の植栽などにも快適性を追求。住まいに彩を添える、特注の信楽焼きの大きな水鉢(直径100cm)。

軒の長さと木目を活かした 内と外の連続したこだわりのデザイン

I邸は、地下にRC造の車庫と収納室を持ち、北西に面する道路から右回りの階段アプローチを経て玄関があります。玄関には、大人数の来客をスムーズに出迎えられる広い上がり口とコートなどを収納できるスペースも確保。
玄関ドア壁面の上部に設けられた明かり取りの窓から日が差し込み、訪れる人を温かく招き入れます。また、玄関天井の木目と軒下の木目がガラス越しに連続したデザインになっています。
玄関を上がり、将来を見越したバリアフリー仕様の引き戸を引くと、1階は、ゆったりしたリビング空間が広がっています。その右手に和室、正面から右奥にリビング、ダイニング、キッチン、左手にある階段から2階はゲストルームを含む3部屋、4LDKの間取りです。1、2階とも居室以外の部分にも広めのウォークインクローゼットを設えるなど、実用的な間取りになっています。

ゆったりしたスペースとクローゼット機能(奥の扉)を持つ落ち着いた趣のある内玄関。

ガラス越しに続く美しい木目を見せる軒裏(奥)と玄関天井(手前)。

異素材を組み合わせた床の間と 和紙を壁紙に使い上質空間の和室に

セオリーにこだわらずに、建築家の自由な発想とそれを受け入れたIさんご夫婦だからこそ実現したのが和室の空間です。元は8畳と6畳の二間続きだった間取りを10畳に変更し、新たに仏間スペースを設け、引き戸で間仕切ることで、見えなくなるように工夫されています。その横にある床の間を飾るのは、シャープな鉄製の床柱と間接照明、落とし掛けのないモダンなデザインに仕上がっています。
Iさんの奥様のお気に入りは、和紙を使った壁紙です。和紙の持つ独特の空気感が和室全体をやわらかく包み、照明のあかりや日光を反射させ、より明るくさせています。画一的になりがちな和室を、天井の木目と和紙との相乗効果で個性的な空間をつくりあげています。

和紙を壁紙に用い、障子は太鼓張りにするなど、質感を楽しむ空間に。奥の中央引き戸の裏が仏間スペース。

“視覚”や“吹き抜け”をフルに活用 内も外も上も下もつながる大空間を演出

和室を出ると、南東に面するLDKが広がっています。印象的な赤色系の床材は、アイアンウッドと呼ばれるウリンを採用。シロアリなどにも強く、硬く腐りにくい特徴があります。
そのフローリングと天井の木目の張り方は、玄関からLDKの開口部まで統一することで一体感を出しています。さらに、リビング開口部にあるデッキまで木目を合わせ、リビングとダイニングの交わる部分は2階までの吹き抜けにすることで、内から外、下から上へのつながりの統一と広がりを感じさせるデザインになっています。
Iさんの要望の一つ「大空間」を実現する中、木造という構造上、大きな空間は取りづらく、変えることができなかったのが柱です。玄関からLDKの端まで5本の柱がそのまま残され、広い空間のアクセントになっています。リフォーム前はこの柱に沿って間仕切り壁があった部分です。

間仕切りを取り、ゆったり広いスペースを確保したリビング。壁面にはギャラリースペース、中央奥が玄関。

空間の広がりと採光の役割を果たす2階までの吹き抜け(天井高5m45cm)。

将来を見越したバリアフリーをはじめ、 設備や安全性向上への配慮も

多くの人が集まる機会の多いI邸では、食器をはじめ所帯道具も多いことから、大型の収納スペースをキッチンに設けています。導線のよさから対面キッチンを採用、安全性の高さからIHクッキングヒーターに一新されています。
ダイニングに面した南東部分には、採光を確保するために、1階から2階に新たな開口部を設置、以前は勝手口だったところです。I邸では雨戸がなく、住宅密集地のことから開口部には防犯性の高い強化ガラスを採用しています。
南東角にあったトイレや浴室の水まわりは南西に移動し、バリアフリーの観点から引き戸を採用。さらに住宅内の壁面や階段には手すりが設置され、踏み板だけの階段も板で覆い、安全性を確保しています。

キッチン壁面を覆う、機能性を重視した可動棚付きのスッキリしたデザインの収納造作家具。

南東に面する奥のガラスは、採光用に新たに設置された開口部。

住環境が目に見えるメリットを活かし、 “リフォーム”でさらに快適性を向上

中古住宅購入のメリットの一つに、既存住宅を見ながらの打ち合わせができ、大きさや日の差し込み具合など、できあがりイメージのつかみやすさがあります。また、I邸の建つ東大阪市は低湿地の土地柄から気になる地盤も、基礎の沈下もなくしっかりした地盤であることが既存住宅によって立証されるなど、住環境を含めた建築への適性が事前に分かることなどがあります。
当初予定では、水まわりを中心にしたリフォームだったI邸ですが、実際には外皮と構造上、移動のできない柱を残しての大がかりな工事になりました。制約を受けずに実現した水まわりの移動や開口部などは、基礎がしっかりしていたのと天井や床の全面張替えにより実現したものです。ゆとりの空間と快適な設備にIさんご夫婦はとても満足されています。

外回りの南東・南西部分はデッキ仕上げ。植栽の水遣りは自動に行われるタイプを採用するなど、メンテナンス面の配慮もされています。

■建築概要

所 在 地

大阪府東大阪市

設   計

藤原・室 建築設計事務所

施   工

大種工務店

構   造

木造地上2階

敷地面積

221.25m²

建築面積

126.93m²(リフォーム前:126.47m²)

延床面積

241.98m²(リフォーム前:257.22m²)

竣   工

2005年8月

工   期

約150日

築 年 数

20年

■平面図

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