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こんな暮らしがしたい! 思い描く空間テイストをリノベーションで実現した住まい 東京都・自由が丘のマンション

スタイリッシュなキッチン、ダイニング。テーブルが食卓の場でもあり、お子さんの勉強机にもなっている。(*)

おしゃれなショップが立ち並ぶ東京・自由が丘。“住”“遊”ともにトレンドの最先端をゆくロケーションにこだわり、手に入れた中古マンション。画一的になりがちなマンションの細切れの空間を、既存の天井仕上げや間仕切りなどの壁を取り払い、構造部分のコンクリートをむき出しにしてスペースを最大限に確保。リノベーションで、思い描いた空間のテイストを実現したマンションをご紹介します。
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 中古マンションでリーズナブルに、 ロケーションも個性的な空間も実現

一日中、人出で賑わう自由が丘の駅から数分歩いた閑静な住宅街に、Sさんご夫婦とお子さんが暮らすマンションがあります。ロケーションを優先して購入した築9年の中古マンションを、思い描く個性的な空間テイストにリノベーションした住まいです。
これまでは、同じ自由が丘の賃貸マンションにお住まいでした。人気の立地から家賃がかさみ、マンション購入を検討。一戸建てに比べ、交通の便などの立地条件のよい物件を、少ない予算で手に入れやすい中古マンションを限定に探していました。小さなお子さんがいらっしゃることも、セキュリティ面からもマンションを選択された一因でした。
そのころ出合ったのがバブル期に建てられたメゾネットタイプの設え(しつらえ)のいい物件でした。

リノベーションで手に入れた快適空間。メゾネットで、下はキッチン、上が寝室。(*)

現地内覧に建築家も同行し、 プロの目でもチェック

リノベーション前提での中古マンション購入にあたり、Sさんご夫婦には思い描くイメージがありました。個性的なデザインの建築家の存在を雑誌で知り、購入前の現地内覧への同行を建築家に依頼しています。そこで施主は、「リノベーションでどこまで可能か」、「難しい部分はないか」、などのプロとしての意見やチェックを建築家に求めました。
リノベーションは、新築とは異なり、外見からは見えない部分が多く、実際に工事が始まって壁などをはがしてみないとわかりにくいのが現状です。
一方、一戸建てに比べ、集合住宅では設計図がきちんと保管され、構造や配線や配管などの設備関連が把握しやすいというメリットもありました。
既存の内装と思い描くイメージとのギャップに悩んでいたSさんご夫婦ですが、建築家の「リノベーションで変更可能です。低層住宅は家族3人が暮らすのに落ち着いた環境で暮らしやすいのでは」という言葉に後押しされ、ロケーションも住環境も抜群の空間を実現できるマンションを手に入れました。

リフォーム前
マンションの間取りで多く見られる、対面キッチンとリビング。

予算750万円で、 ニューヨークのロフトテイストを実現したい

Sさんの専有部分は、4階〜5階部分の縦方向に奥行きのあるメゾネットです。マンション外観はタイル張りで、1階ホールは心地よいBGMが流れ、当時、高級マンションとして売り出された重厚感のある設えです。エレベーターで上がり4階にあるのがSさんの住まいです。
リノベーション前は、4階の北側に水まわりが集中し、その隣にキッチン、開口部のある東に面した部分はリビング・ダイニング、5階部分には2つの寝室という、2LDKの間取りです。
Sさんご夫婦からの要望は、Sさんの仕事柄、奥様とお子さんの2人で過ごす時間が長いことから、「個室は必要ない」、「キッチンは機能的に」、「大きな収納」、「とにかく個性的でお洒落なニューヨークのロフトテイスト」、「予算750万円程度」というものでした。

リフォーム前
西側に位置する玄関は、間仕切り壁に囲まれた暗いスペース。

リフォーム前
日中でも電気をつけないと暗いバスルーム。

個室がなく、最小限の間仕切りで、 明るく開放的な空間に

限られた予算では、費用のかかる水まわりの移動を避けるのが必須です。「個室はいらない」、「間仕切りも明確にしなくてもよい」、という要望から、間仕切りを最小限に抑えています。
空間を隔てるものは、バスルームなどの水まわりを囲う防水ガラスと5階に設けた書斎を仕切るためのガラスの衝立くらいです。
下階部分は、玄関左手にバスルーム、洗面所・トイレ、その奥にアイランドキッチンが東側開口部まで広がり、ダイニング・リビングに面しています。
上階の寝室は2つのコーナーをつくるために、大きな収納ボックスを真ん中に置いています。その上はちょっとしたロフトとしても使え、2つの寝室も天上部でつながった状態のシンプルなプランです。
以前は、2LDKという間取りを確保するために小さく暗かった空間を払拭し、大容量の収納も実現しています。さらに、階段室の壁を取り払ったことで上階部分の気配を感じる開放的な空間に生まれ変わっています。

寝室を2つのコーナーに分ける、大容量の収納ボックス。(*)

書斎と寝室を隔てるのは、ガラスの衝立。天井上までは仕切らず、つながりのある空間に。(*)

 間仕切り同様、天井仕上げや壁を取り払い 最大容積の確保と低コストを可能に

間仕切りだけではなく、天井仕上げや壁面を取り払い、空間の広がりを最大限に確保しています。むき出しになったコンクリートの構造をはじめ、電気配線などは白いクロス張りのボックスに収められ、空間デザインの一つになっています。
構造躯体の梁や縦管、ダクトやレンジフードも覆い隠すのではなく、統一した仕上げで空間と一体化させています。余分な壁面はなく、躯体のコンクリートだけで空間が彩られています。それにより、最大容積を確保し、天井高も躯体と同様の2m52cmの伸びやかな広がりを実現しています。
仕上げは一切なしに、取り払えるものを壊して掃除だけにしたことで、コストを抑えています。天井面も化粧をせずにコンクリートをあらわにさせることで、ニューヨークのロフト地区によくありそうな洒落たアパートのテイストを表現。よく見ると、施工時に書かれた記し書きや墨のあとが、ところどころに見られ、個性的なデザインの一部になっています。

構造や梁が見え、コンクリートのむき出しがニューヨークテイストの雰囲気に。(*)

間仕切りのないワンフロアワンスペースで、広がりのある空間に。左手は階段、右手奥のガラス張りは、バスルームとトイレ・洗面所。(*)

異なる床材が空間を緩やかに分け、 自然光を導き入れる調光の役割も

床の仕上げは異なる3つの素材を使い分けています。
1つは、北側にある水まわりの床材・モザイクタイルを開口部に面した東側に延ばしています。キッチンまで一直線に延びたモザイクタイルが、開口部からの自然光をバスルームまで導き入れる役割も果たしています。同時に広がり感を与え、タイルで反射する光がキッチンやリビング・ダイニングも明るくしています。
玄関からリビングに入った部分と階段を上がりきったところまでは、白い人工芝を採用。もともとは運動場などの白線部分に使われるもので、防炎性能があり、踏んだときのシャリシャリ感が奥様に好評。毛足が長いことから、階段の昇り降りを滑りにくくし、歩行を助けます。また、白い色が光を上の階から下の階へ、下の階から上の階へと反射させ、明るさと同時に上下階をつなぐ役割も果たしています。
それ以外の部分は、カーペット直張りです。異なる素材の床が空間を緩やかに分けています。
思い描いたイメージを妥協せず、リノベーションで手に入れた明るく伸びやかな空間に、Sさんご夫婦はとても満足されています。

右手奥の玄関からリビング、階段に続く白い人工芝。(*)

手前のバスルームからキッチンまで続く、モザイクタイルの床が、導光の役割も果たしている。(*)

■建築概要

所 在 地

東京都世田谷区

設   計

メジロスタジオ

施   工

田工房

構   造

RC造(地上5階+地下1階)

建 築 年

1997年3月

延床面積

78.44m²(4〜5階専有部分)

竣   工

2005年8月

工   期

57日

工 事 費

960万円

■平面図

平面図

(*)印の写真は©鳥村鋼一(Nacasa & Partners Inc.)

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