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住まいづくりの疑問を解消


犯罪なんて、他人事…と思ってはいませんか?テレビや新聞で騒がれる強盗や立てこもりなどの事件こそめったに身近では起きませんが、空き巣やひったくりなどはここ数年急激に増加。残念ながら他人事ではなくなっています。手口も巧妙化、凶暴化し、私たちの暮らしの安心を脅かしています。今や安全は自分たちで守らなければならない時代です。家族や財産を守るにはどんな点に注意すべきか?防犯に詳しい鈴木邦芳氏にお話を伺いました。


Q1:
「日本は安全な社会」だと思っていましたが・・・?
A1:

残念ながら犯罪は増えています。空き巣や窃盗が増え、私たちの暮らしの安全が脅かされています。

 
 
 
警察庁が毎年発表する犯罪件数によると、1996年以降は毎年犯罪の認知件数(警察が事件であると認めた数)が増加し続けています。2002年には285万件と戦後最多に達しました。2003年1月〜6月の上半期については133万9千件と前年度の同期よりも多少減少傾向にあるものの、油断できない状況です。
さらに、警察による検挙率は低下し、2001年には19.8%と戦後最悪を記録しました。その後上昇してはいるものの20%と、10年前には40%代を保っていたことと比較すると、「治安の悪さ」が実感されます。
刑法犯の認知件数と検挙件数/検挙率
※警察庁のデータを基に作成
 
 
刑法犯は、犯罪の種類によって凶悪犯、粗暴犯、窃盗犯、知能犯、風俗犯、その他に分類されますが、その中でも約8割をしめるのが窃盗犯、つまりドロボウなのです。
窃盗犯は、さらに侵入盗(住宅、会社、倉庫など)、自動車盗、ひったくり、すりなどに分類されますが、そのいずれをとっても発生数が増加しています。新聞やテレビの報道番組では、殺人事件や銀行強盗などが大きく取り上げられたりしますが、発生件数が一番多く、生活と関わりが深いのは窃盗です。しかも、いわゆる空き巣などの住宅侵入犯は、住人が帰宅して鉢合わせするとたちまち強盗になり、最悪の場合は殺人にいたることもある、決して軽視できない犯罪なのです。
刑法犯認知件数の内訳(2002年)
※警察庁のデータを基に作成



Q2:
ウチはお金持ちではないので狙われないのでは?
A2:
お金持ちかどうかが問題ではなく、防犯意識の低い、侵入しやすい家が狙われているのです。
 
長期化する不況の影響で、スーパーで食料品を盗んだり、住宅やオフィスを狙って、小口の窃盗を繰り返す犯人が増えているようです。それとは逆に、集団でドッと侵入してごっそりと盗む荒っぽい手口も目立ちます。ATMを重機で破壊して盗む、量販店やドラッグストアの高価な商品を根こそぎ盗むなどという手口は集団でないと不可能です。これらの犯罪の小道具として、携帯電話やインターネットが使われています。グループで窃盗する場合には、ドロボウの中の見張り役が、家の人が出かけたあとを追跡し、携帯電話で行動を報告していたというケースもあるようです。多様化するドロボウの手口に、「ウチは大丈夫」は通用しません。
 
       
  刑法犯(うち窃盗犯)認知件数の推移 年次別 侵入窃盗(全国)  
 
  ※上記2点のグラフは警察庁のデータを基に作成  
       
    侵入盗の時間別認知状況  
   
  ※社団法人 日本防犯設備協会の資料を基に作成  


Q3:
どんな家が狙われやすいのでしょう?
A3:
ドロボウは侵入しやすく、逃げやすい家を狙っています。
 
2000年以降急速に増えたドロボウの手口に、ピッキングがあります。そのほか、新手の方法としてカム送り、サムターン回しという手口もあります。いずれも住宅の玄関ドアを狙った手口です。
大がかりな道具もいらず、またこれらの方法で開けることができる鍵が一般に普及していることもあって、都市部に限らず全国でおこっています。「ドア」「窓」が侵入のターゲットにされています。外部から簡単に開けることができる鍵がひとつだけの玄関ドア、簡単に割れる普通ガラスの窓は、プロの窃盗犯ならわずか数分で侵入できるのです。
   
住宅侵入盗(空き巣・忍び込み・居空き) の
被害率
戸建て・マンション(その他の共同住宅)の
被害率
※上記2点のグラフは警視庁のデータを基に作成
 
住宅の周りの環境にも注意が必要です。プライバシーを重視して住まいの周りにコンクリート塀をめぐらしたり、背の高い植栽で目隠しをすると、外部からの見通しを悪くします。勝手口周辺の物置や、ベランダの目隠しなども、侵入を簡単に許してしまいます。スキのある住宅が増えていることも、窃盗犯のつけ入るもとだと言えます。
 
 


Q4:
一戸建ては狙われやすいと聞いて不安です。
A4:
ドアや窓が多いので侵入経路が多いのは確かです。しかしツボを押さえたガードで効果をあげることができます。
 
玄関ドア、勝手口、窓、ベランダ…一戸建ては確かに侵入経路になりやすい出入り口が多いので、防犯対策も大変です。見落としがちなのが、雨といやガレージの屋根など、2階に上る足場の存在。2階の窓はつい油断して無施錠になりがちです。物置や植え込みで、通りからの死角ができていないかなども注意してください。
 
ドロボウが狙った家に侵入しようとして、5分以上かかると,7割以上が諦めるという統計があります。わざわざ捕まる可能性が高い住宅を選ぶより、入りやすく逃げやすい家のほうが、ドロボウにとっては効率がよいためです。だから、玄関錠を性能の高いものにしたり、鍵を複数付ける、ガラスを破りにくい防犯ガラスに交換するといった工夫をすることで、随分防犯効果があると考えられます。
 
ドロボウは、金品を狙うと同時にうまく逃げたいと考えています。ですから、狙った家に侵入するときにセンサーで光や音が出ると、侵入を諦めて逃げることが多いのです。防犯センサーをうまく利用して、ドロボウを寄せつけない住まいにしたいですね。
 
 
簡単に入り込めて、確実に稼げて、捕まらない。ドロボウはこの3つの条件がそろった家を探します。
     
ピッキングなどの道具を準備する。
下見をする。
人目につきにくい家を探す。
植栽や物置などは身を隠せる場所。
一度入ったら外から見えない塀の高い家。
 
留守を確認する。
インターホンを押す。
しばらく見張る。
 
最初にベランダの掃き出し窓を狙う。
               
     
     
補助錠などで侵入に手間どり5分以上かかると諦める。
 
近所の人にジロジロ見られたり、声をかけられると諦める。
 
犬がいると諦める。
警備会社のマークがあると諦める。
               
      ※社団法人 日本防犯設備協会の資料を基に作成



Q5:
一度狙われたら、防ぎきれない気がしますが?
A5:
ご近所づきあいの多い町は、安全性も高い。地域ぐるみで安全な町にすることが重要です。
 
防犯面でとても効果が高いのが住んでいる地域の防犯環境を良くすることです。街灯の設置や防犯カメラの設置などのハード面に加え、住民の防犯意識やお互いの助け合いの意識も大切です。
例えば、ドロボウに成功しても、隣人に顔をみられて通報されたりしては元も子もありません。ですから、普段からご近所同士が声かけをする地域は、不審な人間は近寄りにくい町になります。下見の時に「こんにちは」などと声かけされると、ドロボウはそのエリアを敬遠しがちです。これは、マンションなど集合住宅でも同じです。逆に地域住民が無関心だと、下見も犯行もしやすい。地域ぐるみでお互いの安全に気をかけることが、犯罪を寄せつけない町につながります。
 
在宅時でも、無人の部屋の窓に鍵をかける習慣をつけましょう。
日頃から建物形態を見直し、ドロボウが侵入しにくい環境を整えましょう。
玄関をツーロックにする、窓に補助錠を取り付けるなど、防犯設備を充実しましょう。
「防犯設備を整えたから大丈夫」と安心していると泥棒は、そのスキを狙います。せっかく設備した機能を有効に役立てましょう。
旅行時、長期不在にするときには、隣近所へ声をかけ合ったり、郵便物、新聞などの配達を止めるなどの注意も必要です。
  ※社団法人 日本防犯設備協会の資料を基に作成
 
近年、安全・安心な住まいにしたいというニーズが高まりつつあります。住まいの安全性をきちんと判断する材料として、2004年をめどに、「防犯性能の高い建物部材」を警察庁が認定して公表することになりました。家を建てる、リフォームする際には、こういった防犯安全性に配慮することも大切になっています。
 




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