新築やリフォーム時に、社会的な意義があるとされる住まいの設備に対して、助成金が出る場合があるのをご存知ですか? 省エネ、省資源などの環境に関するものや、バリアフリーなどの福祉、また町の景観づくりなどへの助成制度は、国や地方自治体などによって多種多様です。制度の周知が不充分であまり利用されていないものや、反対に先着順で早々に締切りになるものもあります。家を建てたり、リフォームするなら、まず情報集めが必要です。場合によっては、数万円から数十万円の補助を得ることもできます。知らないと損する住まいの助成金について、ファイナンシャルプランナーの北見久美子さんに伺いました。
Q1:
省エネな住まいづくりには、どんな助成金がありますか?
A1:
太陽光発電をはじめ、発電、給湯など様々な助成金があります。
省エネルギー住宅の必要性がますます高まっています。地球温暖化防止のための国際条約である京都議定書が発効し、社会全体の省エネへの取り組みが必要です。ところで、家庭での省エネを推進するために、さまざまな住宅設備へ国や地方自治体が助成金を出しています。条件を検討して、うまく利用しましょう。
●太陽光エネルギーで助成金
屋根に置いたパネルで発電する太陽光発電は、太陽光から電力を作り、余剰分は電力会社に売ることも可能です。設備を設置する際にはまとまったお金が必要ですが、国や地方自治体が助成金を出しています。国(財団法人 新エネルギー財団NEF)からは1kW当たり4.5万円
※
、地方自治体からは平均1kW当たり5万円がもらえます。国からの助成金は、申請時期が決まっており、そのほか工事着工届けなどの書類が必要です。
※平成17年度募集からは1kW当たり2万円に変更になっています。
太陽光エネルギーを利用する方法として、以前からあるのが太陽熱でお湯を沸かす給湯システムがあります。太陽光発電より費用がかからず、自治体によっては助成金も交付しています。
最近は、太陽光発電システムと給湯システムの両方を兼ね備えたハイブリッド型のシステムもあります。
いずれも一度設置すると、長期間にわたってメリットがある設備です。助成金を上手に利用しましょう。
太陽光発電システム
●給湯システムにも助成金
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を利用して空気中の熱で効率よくお湯を沸かす「エコキュート」を導入すると、給湯にかかる費用を大幅に削減することができます。ヒートポンプ・蓄熱センターの補助制度を利用して上手に導入しましょう。
そのほか、天然ガス・LPガスを使用したときに、これまでは排気として放出されていた熱量を再利用する潜熱回収型給湯器やガスエンジンの廃熱を利用したガスエンジン給湯器などにも補助制度があります。また、天然ガスで発電・給湯・暖房のできる新システムにも、補助制度があります。
●高気密・高断熱住宅で助成金
住まいの気密性が低いと、窓や壁、床からエネルギーが逃げてしまい、冷暖房の効率が低下します。そのため、窓のガラスを二重ガラスにしたり、壁、ドア、床、天井など断熱をきちんとすれば省エネ効果が上がり、光熱費を抑えることが出来ます。高気密・高断熱の住宅への助成制度が、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)で行われています。募集時期や条件に気をつけて検討してみてはいかがでしょうか。
エコキュート
Q2:
安心・安全な住まいに対する助成金もあるのでしょうか?
A2:
バリアフリーや耐震化工事など幅広い助成金があります
高齢化社会、犯罪の増加、阪神・淡路大震災など大規模な地震の経験などによって、住まいの安全性、安心な暮らしの重要性がクローズアップされてきました。家全体の耐震性を高めたり、段差をなくすなど大掛かりなリフォームから、手すりをつけたりカギを付け替えたりと小規模なリフォームでも利用できる助成金もあります。
●バリアフリー住宅で助成金
高齢者が暮らしやすく、介護がしやすいような住宅にするのに、まずは介護保険による住宅改修費用助成があります。家の中の段差の解消や、洋式トイレへのリフォーム、手すりの設置など大規模なものから簡単なリフォームまで適応されます。ただし、支給限度が20万円で、かかった費用の1割が自己負担になります。要介護認定または要支援認定を受けた高齢者が対象です。
また、自治体によっても独自に住宅改修助成制度を実施しています。浴室やトイレのリフォームなどに助成金を出したり、優遇貸付制度を行っている自治体も数多くあります。
玄関や階段の手すり設置も助成金の対象となります。
●耐震化工事で助成金
阪神・淡路大震災で、多くの家屋が倒壊したことを受けて、1995年に「耐震改修促進法」が施行されました。1981年の新耐震設計基準を満たさない住宅やビルなどに、積極的に耐震診断を受け、必要な場合は耐震化工事を行うことを推進しています。耐震診断については、自治体において助成制度を行っています。また、筋かいを入れたり、壁や柱の補強や耐震化工事についても助成金や改修資金の融資を行っているところもあります。
●火事に強い住まいで補助金
火災が起こった時に類焼を避けることが重要です。都市部では「不燃化促進事業」を実施している自治体があります。主要道路や公園周辺などの住宅で、防火性能の高い住宅を建築すると助成金がもらえます。
●防犯対策で助成金
ピッキング・サムターン回しといった、玄関ドアの錠を狙った犯罪が多発しています。そこで、空き巣などの犯罪を防ぐために、防犯性能の高い鍵の交換・補助上等の取付費用の一部を助成する、防犯・ピッキング対策助成金を実施する自治体が増えてきました。助成金に上限があったり、申請の期限が設けられている場合もあります。
免震システムを採用した住宅工法
Q3:
それ以外の助成金制度もあるのでしょうか?
A3:
意外な助成金がいろいろあります。賢く利用しましょう。
循環型社会の実現をめざして、様々な取り組みがなされています。ゴミ問題、ヒートアイランド現象、水資源の有効利用など、社会問題の解消に向けて、助成金制度をうまく利用してエコロジーな生活をとり入れるといいですね。
●生ゴミ減量化で助成金
家庭からのゴミは増える一方です。特に生ゴミは、回収時にカラスなどが散乱させて問題になったり、処理に多額のコストがかかるなど、自治体にとっても悩みのタネ。そこで、各家庭で生ゴミをスリム化するようにと、生ゴミ処理機に助成金を出している自治体が多いのです。庭に埋め込んでゴミを腐葉土化するコンポストや、機乾燥させる、微生物に分解させる生ゴミ処理機などの購入時にもらえます。
●生垣や雨水利用などで助成金も
災害時にブロックが倒壊するのを防ぐために、生垣を設置すれば助成される自治体があります。また、「緑化推進事業補助金」では都市のヒートアイランド現象を緩和させるため、屋上やベランダを緑化することで助成金がもらえます。
それ以外に、雨水を貯留するタンクを設置することで、雨水の有効利用するシステムには「雨水貯留・浸透施設設置補助金」がもらえます。
屋上緑化で夏の日射を軽減し、都市のヒートアイランド現象の軽減につながります。
Q4:
助成金があるかどうか、どうやって調べればよいのでしょうか?
A4:
調べる方法はいろいろあります。最初から一つだけに絞り込まずに、比較検討してみてください。
まず、新築やリフォームを請け負う住宅会社の担当者に相談し、助成金の対象になりそうな事柄については、住まいを建てる町の自治体の担当者にも聞いてみましょう。そのほか、購入予定の設備機器のカタログを読んだり、住宅関連雑誌の特集などもチェックしておきます。
助成金対象であっても、申請に時期があったり、工事を行う前の申請だったり、工事後だったり、特定の書類が必要だったりと条件は一定ではありません。賢く助成金を使えるように、うまくプランニングしたいですね。
■NEF 財団法人新エネルギー財団
■NEDO 独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構