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住まいづくりの疑問を解消

「快適な寝室をわが家にもつくりたい!」。そんなあなたに代わって、快適な睡眠環境づくりについて抱く素朴な疑問を専門家に聞きました。新築、リフォームを問わず、照明の照度(明るさ)や色温度(色あい)の選び方などのちょっとの工夫でも、すぐに実践できる快適な睡眠環境づくりのコツをご紹介します。睡眠に関わる生体環境研究に長年にわたって携わっている、松下電工 健康科学研究所 北堂真子研究員に聞きました。

※「失敗しない住まいの設備選び」(2005.8)も合わせて、ご覧下さい。
松下電工 健康科学研究所 北堂真子研究員

「すぐに眠れる」「ぐっすり眠れる」「スッキリ目覚める」の3つの条件が揃ったときが、良い眠りです

Q1:
どのような眠りのことを良い睡眠というのですか?
A1:
眠りの質の良し悪しは、睡眠時間の長短ではありません。良い睡眠には、3つの条件があります。
●睡眠時間の長短ではなく、3つの条件が揃うこと
良い睡眠とは、「すぐに眠れる」「ぐっすり眠れる」「スッキリ目覚める」の3つの条件が揃ったときです。睡眠の良し悪しを決めるのは、睡眠時間だけではありません。睡眠時間の短い人や、就寝時間の遅い人でも、3つの条件が揃っていれば、それは良い睡眠と言うことができます。
●眠らなくなった現代人の半数以上が睡眠の質に不満
社会構造の変化から、24時間眠らない社会があたりまえのようになってきています。その社会環境の中で、年々、睡眠への問題を抱える人が増えています。問題の多くは、「眠れない」「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」「熟睡できない」「朝、起きられない」「昼間、眠い」などの睡眠の質への不満です。
 
■睡眠の質の満足度
■睡眠に関する問題
2002年睡眠実態調査(10,424件)の結果より
平成12年保健福祉動向調査(厚生労働省)より
●睡眠の質の低下を招く、生体リズムの乱れ
人の体内には、時計のような機構(体内時計)が備わっており、睡眠-覚醒や体温変化などの周期現象(生体リズム)をコントロールして、生命活動を維持しています。その中でも約24時間の周期でくり返されるリズムをサーカディアンリズムと言い、そのリズムが、ストレスや加齢、深夜も明るい街、昼夜逆転生活などの影響から乱れてしまい、睡眠の質の低下へとつながっています。良い睡眠を得るためには、サーカディアンリズムを整える生活や環境づくりが大切です。 一日の生活のリズムや環境づくりを整えるためには、4つのポイントがあります。

1.就寝前後
2.睡眠中
3.起床前後
4.日中の活動時


それぞれのポイントで、整備を適切に行うことが大切です。
 
■1日の生活リズムが睡眠の質に影響
●質の悪い睡眠
●質の良い睡眠
睡眠の質の良し悪しに寝室環境も関わっています

Q2:
睡眠の質は寝室環境で改善できるってホント?
A2:
睡眠に影響する要因はいろいろありますが、寝室環境に関わる要素もたくさんあるのです。
●寝室の快適な睡眠環境に大切なもの
睡眠に影響する要因は、「人に関する要素」(ストレスや加齢など)と、「寝室環境の要素」(光や寝具など)の2つに大別できます。中でも、睡眠と覚醒の場となる寝室の環境づくりに大切なのが、(1)音、(2)光、(3)空気清浄、(4)室温や湿度、(5)寝具、(6)香り、(7)インテリアカラーなどの寝室環境の要素を整えることです。
●特に睡眠環境に深く関わるのが光(照明)の関係
寝室環境の要素の中で、特に睡眠と関わっているのが「光(照明)」です。光(照明)は、睡眠の4つのポイントすべてに関係します。就寝前のリラックスには「“くつろぎ”照明」、熟睡には「ほのかなあかり」、スッキリ目覚めるには「朝の漸増光」、昼夜のメリハリ「明るく白い光(太陽光)」です。乱れた睡眠・覚醒のリズムを整え、快適な睡眠環境には適切な光(照明)の活用が大切です。
 
■光(照明)環境と睡眠の関係
●騒音対策や室温調整にも気をつけたい
快適な寝室環境は、光(照明)以外にも、騒音対策や、室温調節などにも気をつけると良いでしょう。目安は、就寝前の部屋の明るさは30lx以下(明るさが足りない場合は、部分照明で補う)、就寝時は薄明かり〜1lx、睡眠時の騒音レベルは30dB前後以下、室温は夏場23〜27℃が望ましいとされています。
 
光(照明)の適切な選び方が快適な睡眠へと導きます

Q3:
寝室に備えたい照明の選び方は?
A3:
光(照明)には、照度(明るさ)、色温度(色あい)、照明方法(明暗のコントラスト、光の高さ・数・拡がり)などの特性があります。睡眠・覚醒リズムに合わせた選び方が大切になってきます。
●眠気に関係するホルモンをつかさどる照度
眠気に関わっているのが、脳内のメラトニンというホルモンです。日中に光(太陽光)を浴びるとメラトニンの量が増加します。このメラトニンが夜になって暗くなると分泌して、眠気を感じるようになります。ところが、就寝前に明るい(高照度)照明の中で過ごすと、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。快適な睡眠には、寝る前の光(照明)選びも大切です。
●調光照明や足元灯などで工夫を
光の特性の中で、特に睡眠への影響の大きい要素が照度(明るさ)と色温度(光色)です。照度(明るさ)は高い(明るい)ほど、色温度(色あい)は、高い(白〜青白い)ほど覚醒へと向かいます。その目安は次の通りです。
1.就寝前のリラックスには「“くつろぎ”照明」
照度と色温度を下げ(赤みがかった光)、就寝へと導きます。
 
[就寝前]
部屋全体の照度:100〜200lx
(就寝2時間前は60lx以下に)
低めの色温度:約3000k
(電球色蛍光灯、白熱灯など)
[就寝直前]
部屋全体の照度:10〜30lx
(暗い場合は、局部照明で補う)
2.熟睡には「ほのかなあかり」
部屋の外からの光は遮光し、目線にあかりが入らないように注意。
顔面付近の照度:薄明かり〜1lx
床面の照度:1〜5lx
廊下床面:1〜10lx
廊下や階段室の照明を付けなくても、階段の踏み面を照らす照明の活用でほのかに明るく、安全性も確保。
3.スッキリ目覚めるには「朝の漸増光」
たっぷり光を浴びることで、脳も体も覚醒へ。
[起床前]
部屋全体の照度:起床30分前の0lxから、徐々に照度を上げて1000lx
[起床後]
部屋全体の照度:500〜1000lx
高めの色温度:5000k以上が望ましい
4.昼夜のメリハリ「明るく白い光(太陽光)」
日中の高照度光がメラトニンを増やし、眠気を誘います。
照度:朝に2500lx以上(毎日、30分〜2時間程度)
照度:12時〜16時に5000lx以上(毎日、2〜3時間程度)
高齢者には、快適性だけではなく、安全面にも配慮をしましょう

Q4:
年齢差による寝室環境の違いはありますか?
A4:
睡眠の浅い高齢者の場合、若いときに比べて騒音の影響を受けやすくなったり、視力などの低下から明るさの足りないところでは、ものが見えにくいことなどがあります。
●眠りの浅くなる高齢者は、より騒音対策を
快適な睡眠環境を妨げる要素のひとつが騒音です。遮音性の高い床や壁、防音ドアなどの騒音対策は欠かせません。年齢の違いによる配慮をしたいのが騒音レベルです。高齢になるほど睡眠が浅くなるため、少しの騒音でも影響を受けやすくなります。寝室の騒音レベルは、若年層は40dB以下、高齢者は30dB以下にすると良いでしょう。
●夜間のトイレは安全確保にも配慮を
夜間のトイレが明るすぎて目が覚めてしまったら、せっかくの睡眠環境も台無しです。トイレ後も再入眠しやすくするためには、トイレや廊下などの照度なども気をつけたい部分です。トイレは10〜20lx程度、廊下は1〜10lx程度にすると良いでしょう。ただし、高齢者の場合、安全確保のために、足元を明るく誘導する足元灯などを活用して安全を確保すると良いでしょう。
 

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