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住まいづくりの疑問を解消
家族の歴史も刻まれたわが家をリフォームしていつまでも快適に暮らしたい――と考える人が増えています。ところが、リフォーム工事のトラブルは絶えないばかりか、悪質な施工会社等の犯罪行為もマスコミ等で報じられ、不安が高まっているのが現状です。どうすれば安心して、質の高いリフォームが実現できるのか。満足できるリフォームを実現するコツを、今注目される住宅性能を向上せる視点も含めて、財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの笹井俊克専務理事にお話を伺いました。
財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター 専務理事 笹井俊克氏
注目の「住宅性能向上リフォーム」で、 より快適に
Q1:
改めてお聞きしますが、リフォームに対する関心は今もなお高いと言えますか?
A1:
件数としてはここ数年横ばいが続いていますが、最近はリフォームに対するニーズが異なってきています。これまで多かったメンテナンス的なリフォームではなく、これからの生活に合うようにライフスタイルへの対応や住宅性能を高めるリフォームへのニーズが高まっているのが特徴です。
■住宅リフォームの市場規模(推計)の推移
注@ 推計した市場規模には、分譲マンションの大規模修繕等、共用部分のリフォーム、賃貸住宅所有者による賃貸住宅のリフォーム、外構等のエクステリア工事は含まれていない。
A 「広義の市場規模」とは、住宅着工統計上「新設住宅」に計上される増築、改築工事と、エアコンや家具等のリフォームに関連する家庭用耐久消費財、インテリア商品等の購入費を含めた金額を言う。
B 棒グラフは「狭義のリフォーム市場規模」、折れ線グラフは「広義のリフォーム市場規模」を表す。
C 本市場規模は、「建築着工統計年報」(国土交通省)、「家計調査年報」(総務省)、「全国人口・世帯数・人口動態表」(総務省)等により、(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが推計したものである。
●ライフスタイルの変化に対応させるリフォームニーズが増大
背景には、団塊世代が定年を迎えるという社会全体の大きな変化があります。定年により住宅も趣味や生きがいなどに合わせた住まいにしようというニーズが増えているのです。戸建住宅だけでなく、中古のマンションを購入して、自分のライフスタイルに合うようにリフォームしてから入居するケースも確実に増えています。従来多く見られた老朽化に対する修理・改修ではなく、住まいの質を高めるリフォームに関心が高まっているのが特徴です。
もともと日本の住宅は、夫婦と子ども2人という家族構成を基準に建てられてきた経緯があります。しかし、今は単身世帯や夫婦だけの家族などさまざまなケースが増え、それぞれの家族に合わせた住宅にリフォームした方が住みやすくなる場合が多くなっています。
■住宅リフォームの実施内容
平成15年住宅需要実態調査[国土交通省]より
■住宅リフォームの動機
平成16年住宅市場動向調査[国土交通省]より
●注目を集める「性能向上リフォーム」
リフォームには、「劣化した住宅の維持メンテナンス的なリフォーム」、ライフスタイルなどの変化による「住まい方に応じたリフォーム」、環境問題や高齢化など住宅の快適性や安心・安全性などを向上させる「性能向上リフォーム」――の3つに大別することができます。
これらの中で、特に関心が高まっているのが耐震、省エネ、バリアフリー、防犯などに着目した「性能向上リフォーム」です。建て直しではなく、リフォームで住宅性能を向上させて、より長く快適に住めるように質を高め、併せて住宅資産の価値を維持・向上させようというものです。平成12年に制定された品確法(=住宅の品質確保の促進等に関する法律)でも、既存住宅の住宅性能を測るルールが整備されています。
「不安をあおる」、「うまい話」の営業には乗らないことが肝心
Q2:
詐欺まがいの悪質な施工会社には、どう対処したらいいですか?
A2:
今、問題になっている悪質な被害の多くは、訪問販売によるものです。突然訪問し、リフォームの必要性を訴えかけて、考える間も与えずに契約を迫るというケースが多く見られます。まず会わないこと、会ってもその場で契約しないことが肝心です。
(※)訪問販売のすべてが悪いというわけではありません。
●公的機関を名乗る、その場で契約を迫る手口に要注意
悪質業者の手口は、見えない場所の屋根や床下、天井裏を問題にするケースがほとんどです。「無料で点検します」などと何らかの理由をつけて屋根に上ったり床下にもぐったりして、「大変ですよ、直さないと雨漏りしますよ」、「土台が腐食していて地震が起きたら家が傾きますよ」というような不安をあおり、工事を勧め契約をその場で迫るケースです。
中には、「○○○の方から」といったような公的機関を名乗る場合も少なくありません。法律上、訪問販売は最初に「名前」「会社名」「目的」を伝えなければならないと義務付けられていますが、販売目的を隠して近づこうとするケースが多いのが現状です。
●事態が進む前に一刻も早く対処を
訪問販売に来た会社にリフォーム工事を頼む必要はまったくありません。しかも、「今日契約したらキャンペーン中で安くなりますよ」というようなうまい話もそうそうありません。せかされても、その場で契約せずに、ご家族の方と相談したり、いくつかの施工会社の話を聞いてからリフォーム工事を検討しましょう。
それでも、「契約をしてまった」というような場合は、特定商取引法という法律があり、訪問販売ではクーリングオフ制度があります。契約から8日以内なら、工事着手後でも解除可能ですが、事態が進めば進むほど、対処が難しくなってしまいます。できるだけ早く地域の消費生活センターに相談しましょう。
知っておきたい、リフォーム工事と新築工事の違い
Q3:
リフォーム工事と新築工事とでは、どのような違いがありますか?
A3:
リフォーム工事では既存住宅を前提に工事を行うため、新築とは異なります。また、個々にケースが異なるため、工事内容も個別性が強くなります。表面から見えない部分も多いため、工事を始めてからでないと工事内容等を確定できない場合も少なくありません。リフォームは小規模の工事でも簡単ではなく、施工会社にも専門的な知識や職人の技術が必要とされますので、個々のケースにも柔軟に対応できる施工会社選びが欠かせません。
●リフォーム工事には、始めてみないとわからない不確定要素も
リフォーム工事が実際に始まってからでないと、工事内容が確定できない場合があります。例えば、仕上げ材の下地や土台などのいたみ具合は、表面からは確認することができません。そのため、当初の工事予定とは異なる場合も起こりえます。工事内容の変更をはじめ、場合によっては工事期間の延長や工事内容の変更に伴う工事費追加等が生じることもあります。
施工会社とは、準備段階や工事中の打合せが欠かせないと同時に、工事中に変更が生じた場合の取り扱いについても、工事着手前に取り決めておくと安心です。
●一般的な「住みながらリフォーム」の留意点
リフォーム工事期間中は仮住まいの場合もありますが、住みながら(生活をしながら)リフォームを行うのが一般的です。これにはメリットもデメリットもあります。
メリットとしては、仮住まいにかかる費用の削減などがありますが、デメリットとして、工事中の騒音やホコリの発生などの施工上の留意点もあります。
注意したいのが、工事関係者と接することで生じるトラブルです。サービスで対応いただけるというつもりでお願いしたら追加料金が発生したというようなトラブルも少なくありません。契約した内容以外の工事をやり取りするときは、現場の職人とするのではなく、施工会社の窓口の人を通じて依頼するようにします。事前に工事の進め方も含めて十分に施工会社と打合せをしておきましょう。
施主と施工会社双方の権利義務を、 書面で明確にしておく
Q4:
工事トラブルを起さないために気をつけたいポイントは?
A4:
一番大事なのは、「言った、言わない」とならないようにすることです。契約前や工事中に、それぞれの段階で施工会社と話し合いをしたら、どういうことをお互いに取り決めたかを整理して記録し、書面にしてお互いに了解するようにしておくことがトラブルを防ぐコツです。
●あいまいな部分は、その場で確認を
打合せ等であいまいな部分は、その場その場で質問していくことが大切です。見積り等でもよく見られるのが、「一式 ○○円」というような表記です。「一式」に対する工事内容や建材等の品番を入れてもらう、何が含まれているのかを聞いておくとよいでしょう。内容まで記録してお互いにわかるようにするのがポイントです。後にトラブルが生じた場合、威力を発揮します。
●「見積り書+請負契約書+請負契約約款」を必ずもらう
小規模のリフォームでも、契約となれば書面を交わすのが鉄則です。書面で施主と施工会社双方の権利義務を明確にしておくことで、多くのトラブルが起こりにくくなります。
契約時に欠かせないのが「請負契約約款」です。契約違反や工事が遅れた場合の取り決めや、途中でキャンセルした時にはどうなるかなどの条件が書かれています。施工会社によっては独自の請負契約約款を定めている場合もありますが、各項目にわたって細かく内容を確認する必要があります。
契約条項のひとつの目安として、双方にとって中立的な約款を定めたものが、財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターのホームページ内にある「リフォネット」でも紹介されていますから、参考にするのもいいかもしれません。
■住宅リフォーム工事 御見積書
小規模な工事でも見積りは必ず取りましょう。
@見積書」の記載で欠かせないポイントは、A使用材料の銘柄・仕様等、B単価等は一式ではなく数量や単価等を明記、C工事に伴う「解体・廃棄物処理費」や「諸経費」、D見積書有効期限です。
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■住宅リフォーム工事 請負契約書
発注が決まったら、工事の規模に関わらず必ず契約書で工事内容の確認をしておきましょう。
@工事請負契約書」で確認しておきたいポイントは、A工期、B請負者、C請負金額、DE見積書のほかに、「住宅リフォーム工事打合せシート」、「同工事請負契約約款」を必ず書面で受け取る、F支払方法です。
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※(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営するリフォーム支援ネット「リフォネット」からダウンロードした標準契約書式(住宅リフォーム推進協議会作成)をもとにモデルケースとして作成しました。必ずしも、それぞれの地域の実勢価格を反映したものではありません。
18年4月からスタートする新しい優遇制度「耐震改修促進税制」
Q5:
リフォーム促進のための制度や税制面の優遇制度には、どのようなものがありますか?
A5:
耐震リフォームとそれ以外の一般リフォームでは異なります。特に人命に関わる耐震リフォームでは、公共団体で費用の助成制度があり、約600の県や市区町村で実施されています。また、2006年4月から新たな「耐震改修促進税制」がスタートします。
●「リフォーム減税ローン」や「贈与税の特例制度」も
耐震リフォーム以外の一般リフォームには、一定のリフォーム工事を行うために長期ローンを利用する場合、住宅を取得するときと同様にリフォーム減税を受けることができます。それ以外には、親からの資金援助の場合に限り、贈与税の特例制度を使うこともできます。 融資は、公的には住宅金融公庫にリフォーム融資があります。
●「耐震リフォーム」を対象に新たな特別控除制度がスタート
2006年4月から建築基準法に基づく現行の耐震基準に適合させるための耐震リフォームを対象に、新たな制度が2つ創設されます。
@住宅耐震改修に関する所得税額の特別控除制度
居住者が2006年4月1日から2008年12月31日までの間に、自治体の定めた一定の区域内で居住用家屋の耐震リフォームを行った場合、所得税額から20万円を上限に耐震リフォーム工事費の10%相当額が所得税から控除されます。
A耐震改修住宅の固定資産税減額措置
1982年1月1日以前からある住宅について、30万円以上の耐震リフォームを行った場合、固定資産税も最長で3年間(耐震リフォーム工事完了の翌年度から)にわたって2分の1減額されます。耐震リフォーム工事の完了が2006年〜2009年は3年間、2010年〜2012年は2年間、2013年〜2015年は1年間の減額期間となっています。
※いずれも、「1981年以前の新耐震基準を満たさない住宅」を対象にした制度となっています。事前の告知や申告期限等の手続き条件が決められています。事前に市区町村に確認をしておくとよいでしょう。

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