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住まいづくりの疑問を解消 「耐震強度偽装事件」を契機に法改正。知っておきたいポイントと、その背景 安心・安全を守る住まいの法改正とは?


2005年の「耐震強度偽装事件」以降、再発を防ぐために、さまざまな法律が改正されています。多くは建築に携わる専門家に関係するものですが、中には買い手が知っておいた方が安心なポイントもあります。住まいを取り巻くトラブルに詳しく、欠陥住宅裁判を数多く担当する匠総合法律事務所の秋野卓生氏にお話を伺いました。

匠総合法律事務所代表 弁護士 秋野 卓生 氏

改正ポイントを知って、 安心の住まいを手に入れましょう

Q1:

今回の法改正で、「耐震強度偽装」への心配はなくなりますか?


A1:

今回の建築士法などの改正は、二度と「耐震強度偽装事件」のような事件を起こさないよう、建築士などの専門家の責任の明確化、造り手側のチェック機能強化などを目的に行われました。それにより建築物の安全性が確保され、私たちの住まいづくりが安心してできるようになります。とは言え、人任せにせず、積極的に住まいづくりに関わることも大切です。

1. 構造設計一級建築士などの制度を新設
  〜建築士法(2006年12月改正)

例えば、これまでは一級建築士が行っていたチェックでは、新たに構造設計一級建築士などの専門資格制度が設けられました。それにより、高さ20mを超えるRC建築物など大きな建築物については、専門家によるチェックが強化されます。特に、構造面での安全が、より確保されるようになります。(施行は公布日から2年以内)

2. 施主も受けられる建築士からの内容説明
  〜建築士法(2006年12月改正)

設計、構造に関して、今まで買い手側の施主(住宅購入者)には、あまり情報を与えられていませんでした。しかし改正建築士法施行後は、「どのような設計をするのか」、「どのような監理をするのか」という点について、監理建築士等から重要事項として説明を受けられることになります。(施行は公布日から2年以内)

3. 瑕疵担保の保険加入会社に知らせる義務
  〜建設業法・宅地建物取引業法(2006年12月施行)

契約した住宅会社が破産をした場合、一方的に不利な立場に置かれるのは買い手側の施主(住宅購入者)です。この救済を考えて、宅建業法および建設業法を改正。住宅会社は、施主との契約書に瑕疵に関する保険に加入している場合には、その旨を明示する義務が新たに定められました。
これによって、住宅購入者は、「万一、住宅会社が倒産しても保険で瑕疵担保責任がおぎなえるか否か」を契約段階で知ることができます。

※「耐震強度偽装事件」とは?
2005年11月17日に発覚した構造計算書の偽装事件。建築基準法では耐震強度の最低基準として保有水平耐力比0.5と定める。しかし実際はその基準を下回る分譲マンションが発見、構造計算書の偽造や建築士の名義貸しなどが行われていた。


家族の安らぎの場である住まいの安全が、法改正による責任の明確化で守られる時代に。


故意犯と重過失犯の場合でも、
二重の仕組みで被害者は守られる救済法も

「耐震強度偽装事件」が二度と起きないように、「建築士法」や「建築基準法」など作り手側の義務や罰則を規定した法改正が進んでいますが、万一欠陥住宅を購入してしまったらどうなるのか?
そこで国土交通省は、欠陥住宅の購入者を救済するために、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律案」(仮称)を法案として国会に提出が決まり、2009年秋ごろの施行を目指しています。
その内容は、住宅に欠陥が見つかった場合、住宅会社が保証できない場合でも供託金や保険で補修費用をカバーできるというもの。
しかし、実は故意犯と重過失犯の場合には、保険金は出ないという制約があるのです。「耐震強度偽装事件」はこれに当たります。
そのため、法案では、故意・重過失による欠陥住宅の場合でも、そのような事故の被害者を救済するため、新たに基金を創設することとします。つまり二重の仕組みで確実に損害賠償が得られるように工夫されています。

(2007年3月22日時点)



法改正は「天災」への備えに加え、 「人災」への備えを強化

Q2:

今回の法改正は、従来の法律とどこが違いますか?


A2:

従来の法律は「天災」に対しての安全基準が主な規定でしたが、今回の「耐震強度偽装」は故意犯による「人災」です。現実の買い手(購入者)は構造計算などは素人であり、「耐震強度偽装を見抜け!」と言われても無理な話です。 そこで今回の法改正は、構造の安全基準の見直しと言うよりも、専門家の責任を規定することにより、安心・安全な家づくりを実現する法改正になりました。買い手にとって安心・安全な家づくりにとても重要な意味があります。

●「耐震強度偽装事件」を受けての法改正情報

「耐震強度偽装事件」を受けて、国では2006年の6月21日交付からさまざまな法律の改正に取り組んでいます。詳細な内容、及び施行の経過などは(社)日本建築構造技術者協会のホームページなどで知ることができます。

「耐震強度偽装事件」を受けて改正された主な法律はこちら >>


法改正により、住まいを建てる専門家の責任が厳しくなり、安全性の向上につながります。

※使用している写真はイメージです。本文とは関係ありません。


目先にとらわれずに、 欠陥住宅をつかまされない方法

Q3:

「耐震強度偽装事件」のような被害にあわないためにはどうすればいいのですか?


A3:

2005年11月に発覚した「耐震強度偽装事件」で、被害にあったマンションは、「震度5強の地震でも倒壊しかねない」と言われています。犯人は、コストの削減を図るため、建築基準法の定める数値より耐震強度を低く計算したのです。 理由のひとつに、激しい住宅価格競争が考えられます。
「早い・安い」家づくりを目指して安全性を省みないほんの一部の建築士や住宅会社が事件を起こし、業界の信用を失墜させたのです。 根底にはローコスト偏重主義という時代ニーズも見逃せません。建物の安全性よりも価格を優先させた市場のニーズに警鐘を鳴らした事件とも言えます。 また「耐震強度偽装事件」ではマンションが注目されましたが、法改正については、戸建て住宅も同様に対象になっています。


よい住まいづくりに欠かせない、住宅会社選び。買い手も長い目で住まいの安全を考えたいもの。


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