ホームページを見て楽しむだけではなく、ネットショッピングやネットバンキングなど、私たちの暮らしに大きな利便性をもたらすインターネット。通信手段に、テレビや雑誌などで注目されているブロードバンドを導入すると、どのような暮らしが実現し、メリットがあるのでしょうか。そこで、住まいづくりで配慮すべき点など、知っておきたいブロードバンドについて、NTT東日本−東京南の石田裕滋氏に伺いました。

よく耳にするブロードバンドとは何のことですか?
ブロードバンドが注目されるのは、インターネットの利用者が急増したことと高速通信が大きな理由です。
かつては一家に1台のパソコンを家族で使いまわし、インターネットをするだけでしたが、今では各部屋でパソコン以外にもインターネットにつながったデジタルテレビやドアホンなどのセキュリティ面でも利用することが可能になりました。インターネットの利用者は7,661万人(2006年12月時点)と推計され、日本の人口の6割強が利用することになります。
ブロードバンドとは、こうした利用者の急増に加え、利用方法の変化に対応するためにインフラ整備された高速通信回線のことです。一度に送れるデータの容量が大きく、動画などのデータもスピーディーに送受信できるのが特長です。
ブロードバンドには、光ファイバー、ADSL、CATV(ケーブルテレビ)などがあります。ADSLは大がかりな工事が不要で、サービスの提供エリアが広いというメリットがあります。光ファイバーはこの中でもっともスピードが速く、通信も安定しているので利用の可能性が広がり人気があります。今後もサービスエリアが拡大することから、光ファイバーへ乗り換える方もさらに増えることが予想されます。またCATVは人口密集地でない地域でのブロードバンド接続の選択肢として有効に利用されています。
ブロードバンド以前は、ナローバンドでした。ナローバンドとは、「狭い帯域」という意味で電話回線やISDN回線などの「低速な」通信回線のことを指します。ADSLや光ファイバーなどの高速・大容量のブロードバンド(広域帯)の対義語として使われるようになった用語です。
イメージで言えば、ブロードバンドは、広い道路を車がスイスイ走っているようなもの。それに対し、ナローバンドはブロードバンドに比べて、狭い道路で車が渋滞しているようなイメージです。
ナローバンドからブロードバンドに切り替わることにより、生活は大きく変わります。インターネットの常時接続が可能になるほか、デジタルテレビの映像配信サービスなど先端のニーズにお応えできるようになります。
ブロードバンドで、より快適なインターネット環境と暮らしを実現。
どんな暮らしが可能になりますか?
高速大容量の光やADSLなどのブロードバンド、中でも光ファイバーは通信速度がもっとも速いのでより注目度が高いと言えます(ADSLは最大47Mbps※ 光は最大100Mbps)。欲しいものをネットオークションで見つけたとき、瞬時の判断が求められます。そんな時、光ファイバーはもっともサクサク使えるのでお得な値段で憧れの商品がゲットできます。
週末はリビングシアターで映画を鑑賞。でも、レンタルビデオ店に行くのは面倒、しかも見たいビデオがレンタル中の場合もある…。そんな時、ブロードバンド回線を使ってビデオ作品や多チャンネル放送が楽しめるVOD(ビデオ・オン・デマンド)なら家に居ながら確実に見たい映画が選べます。
さらに電話代は全国一律で市内料金並みなので、長電話も安心です。また普段会えない遠く離れた人に写真などの重いデータをメールに添付して、送れるのもうれしい。このように、光ブロードバンドなら、より快適なネット生活が可能になります(今後のインフラの展開を考えるなら光がお勧めですが、エリアによっては対応していない地域もあるので事前の確認が必要です)。
※bps(ビット/秒。ネットワーク内を通過するデータ転送速度を表す単位)
通信速度のもっとも早い、光ファイバー。住まいづくりに欠かせないスタンダードに。
玄関にネットワークカメラを設置すればテレビから来訪者を確認することができます。またリビングに設置すると、ペットの様子などが外出先の携帯電話から確認することができます。
大容量通信を可能にするブロードバンド。そのメ リットが活かせるデジタルテレビでは、さまざまな映像配信サービスが楽しめます。「4th MEDIA」や「スカパー!光」では、多チャンネル放送やビデオが楽しめる映像配信サービスが受けられます。またテレビポータルサービス株式会社が提供する「アクトビラ」もテレビをもっと楽しむためのネットサービスを提供。ネットでつながっているので、対戦型のゲームはもちろん、テレビのクイズ番組などにも双方向で対応できます。
住まいのセキュリティを、リビングに取り付けたドアホンで集中管理することができます。携帯電話や、アクトビラ対応のデジタルテレビから来客確認ができるなど、便利で安心な暮らしが実現します。
2011年までに切り替えられる地上波デジタル放送を楽しむためには、コンセント選びに注意する必要があります。デジタルテレビの機能やサービスを十分に引き出すには、テレビアンテナ線やインターネット接続のためのLAN端子が、さらに双方向的なクイズ番組やアンケートなどに参加するためには電話端子が必要です。コンセントも電源、テレビアンテナ、LAN端子、電話端子が1つになった「マルチメディアコンセント(情報用コンセント)」が便利です。
マルチメディアコンセント
家を建てる前にデジタル機器の使用場所やコンセントの位置などをプランしておきましょう
ブロードバンドでネットワークカメラの映像も大画面でモニタリングできる(「TOKYO光HOUSE」NTT東日本にて)
住まいのセキュリティを集中管理するドアホン
最近よく耳にする宅内LANとは何ですか。またそのメリットは何ですか?
大容量のブロードバンドをどの部屋からでも使えるようにするために必要なネットワークを宅内LANといいます。いくつもの機器を同時につなぐLANは、企業では一般的になってきています。宅内LANとは、企業で実用化されてきたネットワークを家庭で実現するために考え出されました。新築時にLANの配線をしておけば、各部屋からインターネットにつながります。
宅内LANのメリットは、工事をしておけば家中どの部屋からでもインターネットができること。別の部屋から持ってきたパソコンもその部屋のコンセントにつなぎかえるだけで使用できることなどです。またパソコンだけでなく、テレビやゲーム機などもインターネットにつながります。もちろん機器同士もつながり、パソコン内のデータ共有や、1台のプリンタを家族で使うことも可能になります。
拡大図を見る >>ブロードバンドの導入方法や、注意点はありますか?
ブロードバンドを快適に利用するための大切なポイントは、配線は壁裏を通すので住まいの建築工事が始まる前に、宅内LANの具体的なプランを検討することです。パソコンを使わなくても、これからはテレビなどでインターネットが楽しめるようになります。いらないと決めつけると後悔することがありますので慎重に検討する必要があります。
入居後に手軽に導入できる無線LANもありますが、通信速度は宅内LANで使用する有線LANが最大100Mbpsに対し、無線LANは最大54 Mbps。また、無線LANは電波干渉を受けやすいことや、電波が屋外に漏れて盗聴や不正侵入される可能性があるので、暗号化などの対策を講じておくことをおすすめします。無線LAN対応パソコンを持ち歩いて盗聴する、「ウォー・ドライビング」と呼ばれる手口による被害も出てきています。
また最近注目されている方式にPLCがあります。これは、PLCアダプターを電源コンセントに差し込むだけでインターネット接続ができる(もちろんインターネットの契約は必要)通信方式です。しかし、電気製品により、通信速度が影響を受ける可能性がありますが実用性は十分です。
宅内LANでは、各部屋に「マルチメディアコンセント」を設置しておくと、住み始めてから後に部屋の使い方が変わっても対応ができます。間取り図などに配線や配管などのプランをメモして住宅会社や工事会社と打ち合わせするとよいでしょう。
ここでは、宅内LANパネルの収納場所を決定します。宅内LANパネルは、インターネットを家のどの部屋からもつながるようにするためのパネルです。収納場所を施工会社と相談するとよいでしょう。
最後にブロードバンドを申し込みます。ここでのポイントは、お住まいの地域で何が利用できるか確認することです。将来性を考えると光ファイバーがおすすめですが、今は必要ないとか、まだ利用できないエリアの場合でも、配線、配管、情報用コンセント、さらに宅内LANパネルを準備しておくことで、生活の変化にも対応できます。

宅内LANパネルなどの設置例。クローゼット内などに、すっきり収まります。
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