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こだわりの理由
手すり

手すりの太さはどのようにして決まっているのでしょう?

 
住宅のバリアフリーを考えるときに、まず思い浮かぶのが「手すり」。階段の上り下りや、段差があるところに手すりがあると、お年寄りや体の不自由な人、妊婦さんには安心です。とはいえ、「手すりなんてどれも同じ。握り棒さえ取り付けておけばよい」というものではありません。つかまりにくい手すりは、使いにくいばかりではなく、転倒事故の要因にもなりえます。松下電工では、どうすれば「使いやすく、快適で安全な手すり」を実現できるかを研究し、科学的データに裏付けられた「手すり」を開発しています。人に気持ちの良い、安全な手すりは、人間工学や感性工学を基に作られているのです。

  人間工学と感性工学に基づいた使い心地の研究

 
「人間工学」とは、モノを作るときにその使いやすさを「体のサイズ」「体の動き」などを基に、実際の動きや使い心地を計測し、科学的なデータを基礎に研究を進めてゆく手法をいいます。「感性工学」とは、これに美しさや触り心地、アメニティやリラックスといった人間の感性の領域をできるだけ客観的に探ろうとする学問です。手すりを開発するにあたっては、「太さ(手すりの直径)」「取り付けの高さ」「手すりの形状」など、さまざまな項目別に使用実験を繰り返して調査し、科学的なデータを基に最適な形状を割り出しているのです。何気ない手すりの太さもユーザーの信頼と満足を得るためには、やはりしっかりしたデータが求められるのです。

  直径は35ミリ前後、取り付け高さは750〜850ミリが最適
 
実験の結果、手すりの太さは、握ったときに指が重なる程度、35ミリ程度が最適と感じる人が多く、断面は円形がつかみやすいことがわかりました。取り付ける高さは、使う人の身長や体重と関連するため、家庭用手すりでは使う人に合わせて設置するのが好ましいのですが、一般的には肘にやや余裕を持たせて握ることのできる750〜850ミリの範囲内が使いやすいことがわかってきました。

  手すりと壁との距離なども使い勝手に影響

 
意外に知られていないのが、手すりと壁との距離の重要性です。手すりと壁との距離を「内面(うちづら)」と呼びますが、これが狭すぎては使いにくく、広すぎては階段スペースを圧迫するのです。階段スペース が狭くなると、動きにくくなり、かえって危険です。従来は内面を50ミリほど取ることが一般的でしたが、実験を繰り返して、38ミリあれば十分に使いやすいことが明らかになりました。これも科学的なアプローチの成果です。また、階段に取り付ける手すりの場合、下りてからの手すりの延長も、階段一つ分の400ミリの長さがあることが望ましいということもわかりました。必要かつ十分な機能の手すりで、安全と使いやすさを支えます。


材質や色も重要な要素
手すりの材質はインテリアと調和しやすく、手触りの良い木製で、使う人に安心感を与えることが重要です。表面にでこぼこを付けたディンプル加工付きは、指がかかってしっかり握れます。また、汚れを拭きとりやすいようにフッ素シリコン塗料を施しています。受け座(取り付け金具)は、強度は保ちつつ、握りながら移動するときに邪魔にならない大きさに設計しています。



 

どうです?一見、単純この上なく見える「手すり」も、実は様々な科学的 データと使い心地の実験を積み重ねて開発していることがわかっていただけたでしょうか?

※感性工学による実験については、人間工学に感性をもりこんだ感性工学の創始者として世界的に知られている、長町三生・広島国際大学人間環境学部長、広島大学工学部名誉教授のご指導・ご協力をいただいています。


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