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こだわりの理由

住まいの高気密化が進んでいます。フローリングや石膏ボードにビニルクロスを張った壁で内装された部屋は、メンテナンスが手軽でメリットも多いのですが、音が響き過ぎるというデメリットがあります。音が響くと、会話が聴き取りにくかったり、テレビなどの音声がきれいに再生できなかったりします。残響音を上手に吸収し、しかも調湿機能などを備えた新しい壁材が開発されました。一見すると「ただの壁」に秘められた快適機能の実力をご紹介します。




20〜30年前の和風の住まいでは、畳敷きで塗り壁、天井も木材が当たり前でした。これらの材料はいずれも音をよく吸収するので、音が響き過ぎることはありませんでした。しかし、10数年ほど前から、在来工法の家を含めて気密性の高い家が求められるようになり、またインテリアとしても床はフローリング、壁は石膏ボードなどにビニルクロスを張るのが一般的になってきました。
最近の住まいは、住みやすく手入れしやすいように様々な工夫がされていますが、音環境についてはまだ関心は高くありません。吸音するモノがないと、音がきれいに伝わらないだけでなく、会話が聴き取りにくかったりします。オーディオやホームシアター、楽器演奏などで、音の品質にこだわったり、静かな環境を望まれたりするご家庭が増える一方で、いい音を聴く住まいの環境づくりは難しくなっているのです。
 
   
●以前の和風住宅と現代の住宅(模式図)
以前の和風住宅には、吸音されやすい材料が多く使われていた。
 
現代の住宅には吸音されにくい材料・工法が多く採用されており、音が響き過ぎる。




勘違いしやすいのは、吸音と遮音の区別です。窓を閉めて外の音が聞こえないようにしたり、室内の音が廊下に漏れないようにするのが遮音です。しかし、遮音性能を高めている家でも、室内の音がこだまのように反射して聞き取りづらいことがあります。吸音は、こうした時に、音を適度に吸収して本来の音を楽しむために使われます。
 
   
●吸音と遮音の違い
吸音
 
室内によけいな音を残さないようにします
仕上表面材料が影響
 
遮音
 
室外など音が外へ漏れるのを防ぎます
全体の厚み、重量が影響


凸点記号を設けて、触ってわかる工夫も

「マイルドトーン」の基本構造はシンプルです。壁本体に枠組となる固定ライナーを取り付け、そこに特殊吸音材を貼ります。仕上げ生地を施工ヘラで表面のライナーに押し込むだけで取り付けができるのです。特殊吸音材が、音の響き過ぎを抑えます。
この特殊吸音材によって、断熱効果もアップし、壁面への結露が発生しにくく、また抗菌防臭効果もある多機能な壁材を実現しています。

※JIS R 2618による測定

●特殊吸音層は二層構造


凸点記号を設けて、触ってわかる工夫も

一般に繊維系の吸音材は、ガラスの割れる音や甲高い金属音を抑えることが得意ですが、マイルドトーンは高い音だけでなく、人の声など中低音の音域の吸音も可能です。ですから、部屋の中で話し声が反響する聞きづらさを改善したり、音楽の中低音の残響を吸収して本来のピュアな音を楽しむことが出来ます。

 
●吸音率比較テスト(松下電工測定値) ●残響時間比較テスト(松下電工測定値)
 


凸点記号を設けて、触ってわかる工夫も

開発に最も苦労したのが、吸音材の繊維でした。防音効果を高めるには、細い繊維で表面積を増やせば効果的なのですが、繊維が細いものばかりでは、壁を触ったときにふわふわと沈んでしまい、弾力性が無いように感じてしまいます。そこで考案されたのが、マカロニのように中空になった繊維。表面積が大きくなるので、吸音効果が高いうえ、触った時ほどよく押し戻すように感じられます。また、繊維同士をつなぐ働きのメルトファイバーと、細い繊維、太い繊維の種類と配合率によって効果が異なるため、数十種類の配合による試作評価のくり返しから、より高い吸音性を実現しました。
●特殊吸音材の機能
それぞれの材料と配合率がポイント


凸点記号を設けて、触ってわかる工夫も

従来のビニルクロス張りは、住み続けるうちに浮きやハガレが起きたり、リフォーム時にうまく剥がれなかったりすることがありました。マイルドトーンは仕上げ材や特殊吸音材を張り替えるだけなので、リフォーム時の手間がかかりません。
施工時に接着剤などを一切使わないこともメリットです。シックハウス症候群の原因といわれるホルムアルデヒドを含む接着剤を使わずに張るので、工事中もその後も、部屋の空気を汚しません。
●壁一面継目なし
クロス施工によくある端部、ジョイント部の経時変化による浮きやハガレの心配もありません。
天井ともスッキリと納まります


凸点記号を設けて、触ってわかる工夫も

音は、部屋の向かい合った壁に反射しますから、少なくとも向かい合った面の一面全面にマイルドトーンを張ることが必要です。また、床と天井においても同様に、床がフローリングやタイルの時は天井で吸音することが必要です。天井には「調湿彫り天」などの吸音材をお薦めします。




見た目にはシンプルな壁材に、不要な音を吸収する高機能が隠されています。快適な住まいを支える工夫がお分かりいただけましたでしょうか。



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